散財と「買えない」思考

散財とは、計画のない浪費、ようは無駄遣いを意味します。

日本は今、毎月のように値上げが繰り返されていますね。
そんな状況で散財できるなんてお金持ちだなあと思いますが、
事業を行ううえでの散財はやめておきたいものです。

「買う」という行為をもう少し振り下げてみると、
現金を他の価値と交換していることになります。

交換している価値がモノであれば、会社は資産を得ることになりますが、
膨れた資産は会社に悪影響を及ぼします。

本来不要な資産ですから、売上へ貢献する可能性が極めて低いにもかかわらず
維持コストや処分コストだけがかかるからです。

それならやっぱり、現金のまま置いておいた方が良い
=買わない方が良いといえるでしょう。
キャッシュ・イズ・キングです。

一方で、「買わない」思考もいかがなものか、というのが本日のお話です。

少し自分の話をさせていただきますと、昨日グランベリーパークに行ってきました。
家から10分もあれば行けるのでよく行きますが、いつもの目当てはパン屋さん(ザ シティ・ベーカリー)です。
ただ昨日はパン屋さんでなく、洋服を処分して数が減ってしまったので、洋服を買いに行きました。

しかしいざ洋服を買おうとすると全然買えないんです。
買おうと思って手に取っても、やっぱりやめよ。となる。その繰り返しです。
せっかく来たのに買わないと時間の無駄になると、最後は自分に言い聞かせて買ってきました。

なんでこんなに買えないんだろう?と考えたところ、
洋服を買うのに抵抗があるからだと気が付きました。
洋服を買うなら本や研修・セミナーのためにお金を使いたいという気持ちが自分の中にあったのです。

でも洋服が買えないと困ります。
洋服は清潔感につながるので、定期的に入れ替えておきたいと思っています。
その入れ替えをしたくてもできないので、ストレスを感じます。

散財は良くないですが、一方で買いたくても「買えない」思考もまた良くないと気が付きました。

「買えない思考」が招くデメリット

では、「買えない」思考はなぜ良くないのでしょうか?
先ほどは私の私生活での例ですが、事業において「買えない」思考が発動するのもまたデメリットがあると感じます。
そのデメリットを3つ挙げてみます。

1.事業が縮小する

事業を成長させるために先行投資は必要不可欠です。
しかし、投資したからと言って必ずしも利益に繋がらないのが事業の難しさですよね。
先行投資の段階で結果は分かりません。

しかし先ほどの私のように、価値が保証されたものしか買わないと考えてしまってはどうなるでしょうか?
先行投資に保証はありませんから、何にも投資ができなくなってしまいます。

投資ができなくなれば事業は成長していきません。
わずかな投資で成果が得られるのはよほど恵まれた方、特別なコネがある方などだけです。
多くの方はそんな状況ではないでしょうから、事業は成長しません。

信頼できる相手がいて、その人からだけ買い続けるというやり方もあるでしょう。
ただ成長のスピードはゆっくりめになるのではないでしょうか。
1社より複数社と取引ができるように投資にお金をかけた方が成長スピードは早いです。

2.経験が積めず、いつまでも目利きができない

先ほどもお伝えしたとおり「買う」ことは事業への先行投資であって、
投資がうまくいくかどうかは分かりません。

うまくいかなかったときは辛いものですよね。
何十万かけて投資していた売上見込みが失注になってしまったなど。
将来の見通しがつかず不安が押し寄せます。

しかし「モノは考えよう」というように。
投資がうまくいかなかったこともまた経験です。
そして、投資の判断を磨くには経験が大きいのではないかと思います。

またまた私の例ですが、例えば本を買うときがそうです。
最初は経験値がないので、タイトルだけ見て買っていました。
その結果を正直にいうと、ためになる本とそうでない本に出会いました。

それでも自分のためになる本を探して地道に買い続けていると、
Aという出版社から出る本は良さそうとか
Bから出るのは信ぴょう性が怪しいとか
Cさんが執筆した本はもう一歩先まで踏み込んで書かれている
などの経験から得た学びが蓄積されます。

自分にとって良書に出会うのに経験を積むことが必要なように、
事業への投資も、効果がある投資が何かを判断できるようになるには、経験に勝るものはないと感じます。
経験を積み重ねることで目利きができるようになるのではないでしょうか。
よって、先行投資を恐れず「買う」ことは自分の目利きを磨いていく上でも有効です。

3.単純にケチだと思われる

3つ目は相手に与える心象です。
「買うべき」ところを「買わない」のは単なるケチというイメージを持たれてしまうのではないでしょうか。

例えば、買うことで効率化ができるのに買うのを躊躇してしまっているなどです。
躊躇している時間・効率化できるものを非効率に行っている時間をお金に換算すれば、
買った方がお得なこともあります。(金額にもよります)

そうであるのに買わない理由が「買えない」からだとしたら、
ケチな人だと思われてしまうのではないでしょうか。
合理的にお金を使うためにも「買えない」思考を手放したいものです。

意識して「買う」練習はしておきたい

冒頭でもお伝えしたように、物価が上がり続ける中でどうしても「買えない」思考
になってしまうのは仕方がないともいえます。

またせっかく買ったのに失敗すれば、
より消却的になってしまうかもしれません。

しかし、ここぞ!というときは躊躇せずに買えるように、小さな「買う」練習を日々やっておきたいなと思います。

編集後記

ちなみに私の「洋服が買えない思考」はたぶん母譲りです。
母が洋服を買ったのを見たことがほとんどなく。。^^;
洋服以外の趣味や美容には少しは投資しているようです。
そこもまた母に似ているなと感じるこの頃です。

横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。