税務調査の選定方法は気になるところです。

「選定先は〇〇などをふまえ、総合的に判断しています」

と言われますが、「など」×「総合的」=何も分からない
というのが私見です。(みなさんはどうでしょうか。。(^^;?)

そこで本日は、税務調査の選定について具体的な基準を6つ紹介いたします。

深聞資料による情報入手

深聞資料とは、調査官が集めた情報です。

SNSやHPの発信から得た情報や雑誌、書籍や新聞などの掲載情報、
街中を走っている営業車、宣伝車、高級外車、近隣からの聞き込み情報なども収集対象になります。

調査官は、証拠写真や日時や場所などから調査に繋がる情報を控え、
調査時の資料収集をしています。

例えば、都心を高級車が走っていて、とても若い方が運転していたら?
身分相応とは言い難いため、その方がなぜその車を運転できているのか?
と疑問が浮かびます。

よって、日時や場所、ナンバープレート、運転者の風貌などを控え、
後日ナンバープレートから所有者の照会をして所有者と運転者の調査をすることもあります。

案外身近なところ、些細なことも資料収集の対象なのです。
そのようなことの方がむしろ実態を反映しているといえますしね。

内部告発による情報入手

脱税に関する内部告発の連絡先があるのをご存じでしょうか。
課税・徴収漏れに関する情報の提供

これ以外にも、税務署への電話や投書などの方法もあります。

内部告発のうち特に確度が高いのは、会社の内部または社長のことを良くご存じの方からの情報提供です。

よって、具体的な不正の手口を詳細に告発するケースも多いようです。

単なる嫌がらせ目的の告発もありますが、

その場合には把握できないような情報提供があれば、

その情報の信ぴょう性は高く、調査先に選定される可能性は高まります。

調査官は、告発により得た情報をもとに不正の手口が分かっているわけですから、

ゼロから調査をする必要がなく、ポイントを絞った効率の良い調査が行えます。

よって、調査先に選定されやすいということになります。

不正な計算が見込まれる

皆さんが税務署に提出する確定申告書。

中身を詳しくご存じでしょうか。

確定申告書とひとえに言っても、

・決算書…貸借対照表・損益計算書など

・勘定科目内訳書…勘定科目ごとの中身(取引先名称、住所、金額)を記載した書類

・事業概況書…会社の状況、売上や仕入などの主要科目の推移などを記載した書類

も含まれています。
(法人と個人事業で少し違いはあります。法人の方がより詳細の情報が記載されます)

そして、これらの書類は相互に関連しています。

税務署に提出したこれらの書類は、相互に関連性が調べられたり、
申告書上の税金計算の過程や正確性がチェックされているのです。

そこで不審な事項が見つかり、不正計算が発見されることもあります。

この際、先ほどの深聞資料との整合確認も行われます。

不正計算が発見され、税金納付が少ない疑いがあるようなら
調査対象先として選定される可能性は高まります。

決算書に大きな変動がある場合

決算書は確定申告の際に必ず添付しなければいけない書類です。

税務署では過去の決算書情報がデータ蓄積されています。

つまり、税務署は過去の数字を見ることはもちろん、

過去からの推移を横並びで比較考量できるわけです。

よって、前期以前との比較で大きな増減があれば、税務署側でも把握が可能です。

特に、重要資産の取得、譲渡、価値の引き下げや

売上、仕入比率の大きな変動は注視されやすい項目です。

もし計算間違いが1つであったとしても、金額そのものが大きいので

たった1つ指摘するだけで税金への影響も大きいわけです。

よって、決算書上の大きな変動がある会社も調査先に選定されやすいと言えます。

特定業種

税務調査の選定方法の1つに、一定の業種に的を絞ることがあります。

業種ごとの一斉調査です。

毎年、重点的に調査対象とする業種を選定しているのです。

令和3年度の個人の税務調査では、以下の業種が一斉調査の対象になった模様です。

・経営コンサルタント
・システムエンジニア
・ブリーダー

調査対象業種は国税庁から公表されますが、
公表の時期は調査が終わった後です。

選定の詳細は明かされていませんが、私見では好況事業に的を絞っているように感じます。

ブリーダーは、法改正やコロナによる巣ごもりも相まって好況事業ですし、
経営コンサルタント、システムエンジニアも然りです。

利益が出ているところは調査先に選定されやすいということが言えるでしょう。

税金の還付を受けている

業種によっては、税金の還付を受ける業態の事業があります。

輸出取引が多かったり、補助金事業があったりする場合は消費税が還付になることが多いです。

もちろん納めすぎた税金は必ず還付を受けましょう。

ただし最近では、還付申告にひと手間はさむことが多いと感じます。

以前は、還付申告をすれば1か月ほど経てば指定口座に還付金が入金されていました。

しかし、最近は還付金の証憑データ(元帳や請求書、取引の流れの説明)

を求められることが多いと感じます。

これは還付申告に限らず、誤って多く納め過ぎた税金の還付を受ける(更正の請求といいます)

の場合も同様です。

この際に、税務署の求めに応じたデータを提出すれば問題ありませんが、

提出を渋ったり、提出したデータに怪しい部分があれば調査先に選定される可能性が高まります。

いわゆる不正還付を狙っての調査です。

まとめ

本日は税務調査選定の具体的手順を6つ紹介いたしました。

これらにあてはまる場合はもちろんですが、
あてはまるかどうかは調査の連絡がこないと分からないものもあります。

よって、対象先の選定方法を知ることは一つの備えにはなるとしても万全ではありません。

万全に守備を固めるには、相手の考えを知ることに加えて
調査の際に提示できる客観的な情報を残すこともまた重要です。

日々少しずつ守備を万全にすることが必要ですね。


横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。