税金の申告が間違っていた時はどうするべき?
個人事業主であれば、毎年3月15日(申告期限)までに確定申告・納税を、
消費税の義務があれば、同年3月31日(申告期限)までに確定申告・納税を行わなければなりません。
では、一度提出した税金の申告に間違いがあったら?
どう対応すれば良いのでしょうか。
まず、間違いの対応を行った時期が申告期限より前か後か?で異なります。
申告期限より前の間違いの訂正
申告期限前であれば間違いの訂正は何度でも可能です。
最新(もっとも直近)の申告が正しいものとして受け付けられます。
まれに税務署から「どれが正しいデータですか?」と問い合わせがあることもありますが、
確認の意味合いですから、最新のデータが正しい申告データだとお伝えすれば大丈夫です。
申告期限の後の間違いの訂正
申告期限後の間違いの訂正方法には2種類あります。
もともとの税金より少なくなるのか?多くなるのか?で異なります。
訂正によりもともとの税金より少なくなる場合(もともとの税金>訂正後の税金)
この場合は、誤って納めた税金を還付してもらう手続きが必要です。
手続き名を更正の請求といい、更正の請求書を税務署に提出し還付を受ける流れです。
近年の更正の請求では、根拠書類を求められることが多いため
税務署の求めに応じていつでも出せるように準備しておきましょう。
更正の請求ができるのは、申告期限から5年以内です。
訂正によりもともとの税金より多くなる場合(もともとの税金<訂正後の税金)
この場合は、もともとの申告の修正申告と納税をセットで行います。
また、納税が遅れたことによる税金(延滞税)も加算されます。
ここまでをまとめると次のとおりです。

過少申告加算税が必要なケース・そうでないケース
さらに、修正申告では過少申告加算税というペナルティの税金を納める必要が生じる場合があります。
納める必要があるかどうかは、修正申告を行うタイミングによります。
税務調査の通知前に自分で間違いを発見して修正申告を行った場合
→過少申告加算税はかかりません。
税務調査の通知後〜税務調査が開始されるまでに自ら修正申告を行った場合
→過少申告加算税がかかります。
この際の加算税は、追加納税額の5%(※)です。
税務調査終了後
→過少申告加算税がかかります。
この際の加算税は、追加納税額の10%(※)です。
※もともとの税金の額と50万円のいずれか多い額を超える部分は+5%
つまり、修正のタイミングが早ければ早いほど、ペナルティの税金を納める可能性が少なくなります。
修正は早いに越したことはないということです。
では、なぜこのようにタイミングで区切られているのでしょうか?
それは悪質度合いの基準を修正のタイミングにより判断しているといえるでしょう。
どういうことかといいますと。
人間誰しも間違いはあります。
ただし、間違いに気がついたときの対応でその方の誠意、人間性が分かるものではないでしょうか。
誠意のある対応は、間違いを早々に訂正することです。
でももし、間違いに気がついたまま訂正を行わなかったら?
誠意ある対応とは言えないでしょう。
過少申告加算税も同じ考え方と言えるでしょう。
よって、修正のタイミングが遅くなればなるほどペナルティも大きくなるということです。
特殊なケースですが、
修正申告の準備をしている段階で、偶然税務調査の通知が来た。
ということがあります。
この場合は、過少申告加算税はかかりません。
税務調査の通知前に修正の準備はしていたものの、たまたまタイミングが前後してしまったためです。
すでに準備を進めていたことを客観的に示すことが必要です。
また、税務調査を受けている取引先の反面調査先に選定された場合で、
その取引先との過去の取引を見直したところ、間違いが発見された場合。
このケースで修正申告を行った場合もまた、過少申告加算税はかからないと考えて良いでしょう。
修正申告は何年間やればいい?
税務調査が開始されるまでに修正申告う場合
いつの時点からの修正申告を行えば良いでしょうか。
基本的には過去5年です。
ただし、嘘や不正を行っているのであれば、過去7年分を修正する必要があります。
そうしなければ、6年前・7年前の申告に重加算税という最も重いペナルティが課される可能性がでてきます。
ただし注意いただきたいのは、嘘や不正があればなんでも重加算税ということではありません。
ここらへんの判断は事案ごとに慎重に検討が必要です。
税務調査(個人事業主の方)
スポット相談
まとめ
本日は税金の申告を間違った時の対応についてお話しをしました。
もともとの申告が正しいに越したことはありませんが、間違うこともあります。
間違ったときには正しい申告に訂正する手続きが用意されていますから、必ず行うようにしましょう。