最近の税務調査の状況として感じること
最近身の回りの同業者の方と話をしていると、税務調査の連絡が来たという話を聞くようになりました。
しかも複数件来たとの話です。
コロナ禍でも粛々と税務調査は行われていましたが、
コロナ前と比較すると数はグンと少ないものでした。
コロナ禍での調査対象は悪質性の高いところに的を絞って行われていました。
2023年の春先の時点でも、調査件数は微増の感覚でしたが、
夏を迎え状況が変わりつつあると感じます。
状況変化の理由は大きく2つです。
・5月にコロナが5類以降し、行動制限がなくなったこと
・税務署の年度はじめである7月を迎えたこと
前者はわかりやすいですね。
行動制限がなくなれば税務調査はしやすくなります。
ただ、5月の時点では調査対象を広げることができなかった。
その理由は税務署が年度末だったからです。
税務署の事務年度は少し変わっていて、7月1日〜6月30日です。
よって、5月は年度末といえる時期です。
粛々と年度末までの残務処理に追われるとともに、
翌年度の調査対象先の選定作業を行なう時期です。
この時点では調査対象先の選定は行なっていたとしても、
調査着手は翌年度です。
よって、年度が切り替わり7月になったタイミングで
調査の連絡を行っているということでしょう。
税目ごとの特徴も
今回、調査の連絡があったのはいずれも相続税の事案です。
税務調査の対象は、相続税以外にも
法人税、所得税、消費税、源泉所得税があります。
税務調査では、必ずし間違いを正しく修正することが必要とされるものばかりでなく、
問題がないものとして処理されることもあります。
これを「是認」といいます。
しかし、これには税目により多少の差異があります。
今回お聞きした相続税の調査の特徴は、
是認とされるケースが少ないのです。
おおよそ9割弱は問題があり修正が必要となり、
残りの1割強が是認となるという統計上の数字があります。
是認率は法人税の調査との比較では、半分ほどです。
また、調査1件あたりの追徴税額もダントツに多いのも特徴的です。
調査の流れは止められない
とはいえ税務調査の連絡が来てからできることは限られています。
調査に怯えすぎず今できることをしっかりやることしか対策はありません。
相続税の申告を税理士に依頼するのは税務調査対策の有効手段といえます。
税理士は、調査のポイントを把握したうえで申告書をまとめてくれます。
また、税理士との連携も大切です。
後々のためには正しい申告が何より大事と言えます。
財産の一切を税理士に話し、疑問や不安も申告の時点で解消しておくことが良いと言えます。