経理書類は捨てちゃだめ。
事態の悪化をまねきますので。。

突然の税務調査はありえます

税務調査は2種類あることを以前こちらの記事で書きました。

税務調査は任意なの?断ることもできる?

強制調査はもちろんですが、任意調査の場合も突然調査が入ることはありえるのです。

なぜ事前予告なく突然調査に入るか?

それは事前予告すると、バレてはまずいことを隠されてしまって不正のしっぽをつかみそこねるからです。

例えば、

・調査に必要な書類を隠す、捨てる、偽造する
・従業員や取引先に辻褄合わせの根回しをする(口裏合わせ)
・逃亡する
・事前連絡したが拒否
などです。

上記の例は悪質性の高いものですが、
一方でこんな事案でも事前予告なしの調査が認められます。

・調査の連絡のための電話を何度もしたけど繋がらない
・事前予告の連絡先が不明

税務署が調査先に連絡を試みようと努力したけど、
調査先と接触ができないときです。

接触のしようがないので、最終手段で会いに来た=予告なしの調査ということです。

税務署からの電話連絡には気がついていたけど、
ずっと折り返さずにほったらかしていた場合も注意が必要ということです。

税務署からすれば連絡が取れないことに変わりはないわけですから無予告で調査が認められてしまうのです。

よく、現金商売は無予告調査が行われやすいと言われますが、
これは本当です。

預金取引であれば取引履歴を確認できますが、現金は足がつきません。

よって現場をおさえないといけないわけです。

ただし、闇雲に現金商売であればなんでも無予告で調査が行われるわけではありません。

前段階で怪しいと判断すべき情報を得た上で無予告調査が行われます。

突然の税務調査に慌てず対応するポイント

ある日突然調査官が来た!!

悪いことをしていなくてもドキドキしますよね。
平常心でいられる方の方が少ないでしょう。

昔勤めていた税理士事務所で、
始業前の時間帯に「税務調査官が来ています!」と
納税者の方から当時の所長税理士に電話があったのを覚えています。

この対応は正解です。
まず、落ち着いて。

税理士がいるなら税理士に連絡しましょう。

具体的には、納税者の方は必ず調査官に
「今税理士に連絡していますので、税理士が到着するまで調査は待ってください!」
と言ってください。

無予告調査でも、あくまで任意調査ですので、税理士の立ち会いは認められます。

仮に調査官に待って欲しい旨を伝えない場合は、
調査を認めたのと同義になります。

あとで税理士が来る前の言動を証拠に取られても反論できない可能性が生じてしまいます。


なぜ事前の連絡なく調査が行われるか確認しましょう。

税務調査に慣れている方はいません。

調査に入られたら全て相手(調査官)の言うがままに対応しなければならないと思われているかたもいらっしゃるでしょう。

でも、そんなことはありません。

「なぜ、事前の予告なく調査が行われるのですか?」

と聞いて大丈夫です。

もし、何の説明もなく調査が進むようでしたらぜひ聞いてみましょう。
当然納税者の方としては気になることですよね。


従業員が対応せず社長が対応しよう

無予告の調査ですので、その場に社長がいないケースもあります。

そこにいるのは従業員だけ。

でも、無予告で社長がいないからといって従業員に調査対応を任せては決してダメです!

従業員が知っているのはあくまで会社の一部です。
会社の全部を知っているのは社長のみです。

従業員が言ったことと、後から社長が言ったことが違っているとなれば不信感が増します。
社長が言っていることが真実であっても、です。

社長としてやるべきことは、
従業員に突然の税務調査の対応を伝えておくことです。

「社長に対応を確認しますので、待ってください!」
と言って、自分で対応しないように伝えておくのです。

もしどうしても社長が海外出張などで対応できない場合は、
その旨を説明しましょう。

この場合でも、役員や現場責任者からその旨を説明し、調査官に理解を求めることが良い対策です。


必要最低限の調査にしてもらうようにしよう

無予告で調査が行われる場合でも、交渉次第で必要最低限の調査にしてもらうことは可能です。

先ほどお伝えした通り、無予告で調査が行われるには理由があります。
その理由となる部分の確認ができれば無予告調査の目的は果たせるはずだからです。

それ以外にも調査する事があるのなら、
後日に回してもらうよう交渉しましょう。

この際大切なのは、けんか越しにならず大人の対応をすることです。

なぜなら、後日またその調査官はやってくるのです。

調査官も人間ですから、合理的な話し合いができる納税者の方が心象が良いものです。

心象が良い相手の方が調査官も円滑に調査を進めようと思うものです。
調査終了までを見通して、大人の対応を心がけるに越したことはありません。

日頃から備えておこう

とはいえ、やはり無予告の調査は嫌なものです。
できればそんな経験はしたくないですね。

そのために、日頃から備えておくことはできます。

最も大事なのは不正が行われない環境作りです。

・経理を長年一人の方がやっていらっしゃる
・営業マンが自分の成績のために売り上げを改ざん

よくあるケースかもしれませんが、今一度自社にもその余地がないか考えてみていただきたいです。

たとえ社長が悪事を知らなくても、
知らなかったからといってペナルティがなくなるわけではありません。

悪事の主体が誰であろうと、重加算税のペナルティはあります。

とはいえ、社長お一人では手が回らないこともあるでしょう。

その場合は、最低限対策しておくことを税理士に聞いてみるのもおすすめです。

スポット相談

システムからデータを出力できるのであれば、それとの整合確認も有効です。
システムから直接出力したデータは人の手が入っていないためです。

ただ、システムのデータ自体を改ざんしていたらこの手はアウトです。

・社長も最低限のシステムの使い方、データ確認の方法を知っておく。
・ダブルチェック体制を整える。

など、他の方法で対策することになります。

まとめ

本日は突然の税務調査の対応と事前の備えについてお伝えしました。
備えの意識を持ちつつ、突然の税務調査が来ても慌てないように対策を知っておくと安心です。

横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。