電子決済を導入している方も多い中、

クレジットカードの売上について正しく処理できていますでしょうか?

売上は税務調査で必ずチェックされるポイントです。

ちょっと自信がないという方に、

本日はクレジットカードの売上について

税金上のポイントをお話します。

 

売上のタイミング

クレジットカードで支払が行われた場合、

すぐには入金が行われません。

半月後、1ヶ月後などの場合が多いです。

では、次の場合の売上のタイミングはいつになるでしょうか。

2023年12月分のクレジットカード決済による売上100万円が2024年1月15日に入金となる。

考えられる選択肢は

・2023年12月

・2024年1月

のいずれかですね。

この場合は2023年12月が正しい売上のタイミングです。

クレジットカードが実際に利用された日が売上のタイミングです。

実際の代金の振り込み日ではないことに注意しましょう。

これは逆に考えると、クレジットカード決済を導入していれば

決算時点で未収代金が生じることを意味します。

上の例だと、12月分の売上が未収代金です。

ホームページや店頭看板などでクレジットカード対応と書いておきながら

決算書に未収代金が載っていないのであれば、

売上の計上漏れが疑われます。

自信がない方は自分の決算書を確認してみましょう。

売上の金額

クレジットカードの売上は満額が入金になることはなく、

手数料が引かれた残りが入金されます。

例えば、売上10万円、手数料2,000円、入金98,000円

のイメージです。

では、この場合の売上の金額はいくらになるでしょうか?

正しくは10万円です。

実際の入金額の98,000円ではありません。

いや、でも結果は同じでしょう?

と思われるかもしれません。

確かに利益だけ見ると結果は同じです。

ただ、98,000円としてしまうと消費税の考え方に当てはまらずNGなのです。

消費税を納める義務があるかどうかの判定に

2期前の消費税がかかる売上が1,000万円以下かどうかがあります。

この1,000万円の基準は、先の例の98,000円(純粋な手取り額)でなく、

10万円(手数料が引かれる前の売上総額)で判定します。

よって、間違った処理は売上が過少になっている状態です。

消費税を納める義務があるにも関わらず納めていなかった!

となりかねません。

また、消費税の計算では、

簡便な方法による消費税の計算(簡易課税といいます)、

インボイス制度開始後は売上分の消費税の2割を納税する方法(いわゆる2割特例)

が認められます。

これらはいずれも売上を出発点にして消費税の計算を行います。

よって、売上10万円とするところを98,000円としていれば

消費税がその分過少になります。

これも追徴の対象です。

原則的な方法を選んでいても、

売上を98,000円にしてしまうことは別の問題があります。

というのも手数料2,000円は消費税がかからない取引(非課税)ですので、

消費税の計算上の経費にすることができません。

よって、10万円に対して消費税を計算しなければなりませんが、

手数料2,000円を経費として考慮し98,000円に対して消費税を計算してしまうと

消費税が過小となってしまいます。

まとめ

クレジットカード決済を導入している方も多くいらっしゃいますが、

処理が正しく行われていないことが税務調査で発覚すれば、

所得税(または法人税)、消費税及びそれらの延滞税、過少申告加算税(場合によっては重加算税)がかかります。

今一度自分の処理が正しいか確認されてみてはいかがでしょうか(^^)/

横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。