本日は決算書分析の話です。
利益を2倍に増やすには一体いくらの売上が必要でしょうか?
売上も同じく2倍にしないとダメでしょう!
と答えてしまいそうですが、実はそうではありません。
このカラクリについて今日はお伝えします。
利益を2倍にするのに必要な売上をわかっていない人は意外と多い
冒頭の会話に正しく答えられる人はほぼいないのではないでしょうか?
利益を2倍に増やすのに必要な売上の答えは0.1倍です。
え?少なすぎるんじゃ。。
と思われるかもしれません。
ということで、実際に数字を使って解説いたします。
売上高が1,000万円、粗利益が600万円。
人件費やその他経費の合計が550万円の会社を例にします。
営業利益は50万円です。
この会社の売上を2倍にした場合どうなるでしょうか。
売上高は2,000万円、粗利益は1,200万円、営業利益は650万円です。
利益は13倍になりました。
売上の増加以上に利益が増加するのは、
人件費やその他経費は、売上の伸びに比例せず一定だからです。
この例の場合、利益を2倍にするための売上はおよそ1,100万円。
売上がもとの1.1倍になれば良いことになります。
経費には変動費と固定費がある
このカラクリを理解するために必要なのが
変動費と固定費です。
変動費とは、売上に応じて変動する費用です。
固定費は、売上とは関係なくかかる費用です。
変動費しかない場合、売上2倍=利益2倍になります。
しかし世の中にそんな会社はないでしょう。
したがって、ほぼ全ての会社で「売上2倍=利益2倍」は当てはまらないということです。
そうであれば、自分の会社の変動費と固定費は知っておくべきといえます。
打ち手がわかる
変動費と固定費の仕組みが分かれば、
利益を多くする打ち手がわかります。
変動費は売上高に変動するもの。
よって、より多くの利益を残したいのであれば、
売上高を上げることとともに、変動費の率を小さくすることも大事といえます。
変動費は売上獲得に必要ですから、ゼロにはできません。
しかし、代替品への切り替えや
無駄な製造コストをできるかがり小さくすることで
より多くの利益が残ることとなります。
一方の固定費はというと、売上に応じて変化しないので、
ゼロにできないかの検討が必要です。
固定費には大小様々な経費の積み上げです。
まずは金額の大きなものからゼロにできないかの検討が必要です。
いつでも見放題だけど誰も受けていないオンライ研修をやめる、
無駄なオフィスフロアの契約をやめるなどです。
人件費をゼロにというのは無理ですが、
無駄な会議をゼロにして残業代の削減を行うことはできます。
自分にも当てはめて考えたい
決算書分析はよく耳にするところです。
それを聞いた時は、おー!なるほど!と思うのですが、
納得でして終わりにならないようにしたいものです。
私自身を含めてですが、
決算書の分析方法を知ったなら
ぜひ実践をしていきましょう!