勘定科目は任意に決めて良い
会計ソフトに取引の登録を行うとき、勘定科目に迷われることがあるのではないでしょうか?
「勘定科目」は硬く考える必要はありません。
貸借対照表と損益計算書のどちらに登録する必要がある取引か?
基本的にはこの判断さえ間違えなければ勘定科目はなんでも良いのです。
よって、例えばペンを買ったのなら、
「消耗品費」でも「事務用品費」でも「備品費」でも
損益計算書上の勘定科目であれば、細かいことは気にしなくて良いのです。
いずれも経費に変わりはありません。
より良いのは、
業種、取引の性質、財務分析、集計作業の都合などを考慮して
一貫して同じ取引には同じ勘定科目を使うことです。
勘定科目は任意で決めて良いのです(^-^)
バスケットカテゴリーとは
バスケットカテゴリーという言葉があります。
所得税の分類において使われる言葉ですが、
言葉の意味合いは、他の分類に属さない儲けであっても
儲けであることに変わりはないのだから、
全部汲み取って「雑所得」という所得区分に分類して税金を課すということです。
(覚える必要は全然ないです^^;)
イメージは、ザルの隙間からすり抜けてきたものをボールでキャッチする。
このボールの役割と考えていただくと良いです。
バレーボールなら、スーパーリベロ(絶対落とさない笑)ですかね?!
支払手数料はバスケットカテゴリーになりがち
さて、勘定科目に話を戻します。
「支払手数料」という勘定科目があります。
この「支払手数料」ですが、
まさにバスケットカテゴリーとして使われている会計を目にすることがあります。
というのも、勘定科目はなんでも良いとお伝えしましたが、
取引の実態にあったものを使うのが一般的です。
しかし、中には迷う取引もあります。
迷った結果、「雑費」にする場合もありますが、
「雑費」はお勧めしません。
なぜなら、内容がわからないからです。
雑費の金額が多ければ、
決算書分分析の際にも、税務調査の際にも
結局中身は何か?
と質問を受けることになるでしょう。
そうであるなら、最初から該当しそうな勘定科目で登録しておくことをおすすめします。
実は「支払手数料」も「雑費」同様に、
どの勘定科目にも仕分けわれない取引が登録されがちです。
というのも、分類しにくい=実態が掴みづらいということですよね。
だいたいその場合、目に見えないサービスであることが多いです。
サービスの対価としての手数料は支払っているけど、取引の内容がわかりづらい。
そういう場合に「支払手数料」を使うという流れです。
調査の際には注意しておこう
とはいえ、「支払手数料」が発生すること自体は問題ありません。
悪いことでもありません。
ただ、なんでもかんでも支払手数料に放り込む形になってしまえば
問題ということです。
他の勘定科目と比較して「支払手数料」が異常に大きい場合、
税務調査の時には内容確認がなされるでしょう。
私が調査官だったら、、やっぱり確認します。
架空の外注費がないか、金額が適正かなど。
よって、まず「支払手数料」以外の勘定科目でより適切なものがあれば、
そちらで処理するのが良いでしょう。
金額が大きい場合、前期と処理を変えると目立ちますから、
そのことを概況書に記載して、適切な変更であることを主張しましょう。
また、「支払手数料」が最も適切な勘定科目の場合は、
取引金額の大きい取引先から優先して、
根拠となる契約書や請求書などの経理書類を整備し保管しておきましょう。
まとめ・編集後記
本日は「支払手数料」はバスケットカテゴリー?というお話をしました。
勘定科目の設定は任意ですが、なんでもかんでも「支払手数料」に放り込まず
まずはより適切な勘定科目がないか再度確認してみましょう。
「支払手数料」が適切な勘定科目であるなら、優先して根拠資料の整備と保管を進めましょう。
日中に終わらない仕事を夜中にやるのも
ある種のバスケットカテゴリーかもしれないですね。。
健康のためにこれにも気を付けていきたいものです!