本日のブログはベローチェにて執筆

相続税の試算をざっくりとやってみることからはじめよう。

相続税対策がそもそも必要なのかどうか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのうえで、もし必要であれば相続税対策をやろう!と考えていらっしるかもしれません。

相続税対策が必要かどうかは、まず相続税がかかるのかどうかを知る必要があると言えます。
といっても、相続税の計算を100%正確に行う必要はないでしょう。

目的は相続税がかかるかどうかを知ることですので、
まずは相続税がかかるかどうか、かかるならざっくりとどのくらいかを知っておけば良いと思います。

大事なのは、早めに行動することです。
もっと前ににわかっていればどうにかなったことでも、
時間が経つとどうにもならないこと、または選択肢が少なくなることはあります。
相続税対策が必要かどうかを知って動き出すのに早いに越したことはありません。


相続税がかかるかどうか

相続税がかかるかどうかを決めるのは、大きく次の4つです。
・正味財産の価額
・基礎控除
・法定相続人
・配偶者の税額軽減

これは相続税の計算式からそういえるということです。

相続税の計算は、正味財産の価額から基礎控除を差引いた額を法定相続人で分けたと仮定して税金計算をします。
さらにその税金を再合計して、実際に相続人(財産を引き継ぐ人)ごとの取得割合により按分します。

計算方法はさておき、賞味財産の価額、基礎控除、法定相続人は計算要素ですから、
その金額や数によって、税金が異なってくることとなります。
なお、基礎控除の額を上回らなければそもそも相続税は発生しません。

また、配偶者は優遇措置により、取得する遺産が1.6億円までであれば相続税はかかりません。
よって、まずこの4つを押さえておけば、相続税がかかるかどうかのおおよその検討がつくということです。

 

正味財産の価額とは

正味財産の価額とは、プラスの財産からマイナスの債務を差し引いた正味の財産の額です。

プラスの財産には、現金や預貯金だけでなく、不動産や株式、自動車や絵画、骨董品など財産価値があるものはすべて含まれます。

なお、不動産のうち一定の土地については、小規模宅地等の特例といって、土地の評価額を最大8割減額できる特例があります。適用できるとかなり大きい評価減となりますが、使えるかどうかの判断は慎重に行わなければなりません。
例えば、亡くなった方が住んでいた土地を配偶者が引き継ぐケースではこの特例が使えます。
また、子供が引き継ぐ場合は、亡くなる前から同居し、相続税申告期限まで所有・居住していることが要件です。

一方、マイナスの債務は、葬儀費用や借金などです。

プラスの財産からマイナスの債務を除いた後の財産を合計したものが正味財産の価額です。

 

基礎控除とは

基礎控除とは、先にお伝えした正味財産の価額から差し引くことができ、その分相続税を少なくできるものです。
計算式は決まっていて以下の通りです。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

相続税対策を考える前提として相続人が最低1人はいるということでしょうから、正味財産の価額が3,600万円までは基礎控除の範囲内となり相続税がかからないと言えます。

法定相続人

基礎控除を考える上で重要になるのが、法定相続人です。
基礎控除の計算式から考えれば、法定相続人が増えれば増えるほど基礎控除の金額も大きくなり、相続税がかからない正味財産の価額も大きくなるということです。

ここで、法定相続人とは亡くなった後に財産を引き継ぐ人です。
ただし誰しもがなれるわけでなく、民法により定めがあります。
そうしなければ、養子縁組をするなどして無限に法定相続人を増やし、相続税を逃れることが可能になってしまいます。

法定相続人のルールは、配偶者は常に該当し、プラスして子供→直系尊属(亡くなった方の父母)→兄弟姉妹の順に先順位の方が法定相続人に該当することとなります。

配偶者の税額軽減

亡くなった方の配偶者が引き継ぎ次ぐ遺産の額が1.6億円までであれば相続税がかからない軽減措置です。

亡くなった方(被相続人)とながねn共同生活を送ってきたことへの配慮や配偶者自身の老後のせいかつ保証などに配慮して作られている制度です。

まとめ

さて、ここまでのお話をまとめると、次の通りです。
1)正味財産の価額を把握し(小規模宅地等の特例は適用できそうかどうかも含む)、
2)法定相続人と基礎控除の金額を求め、1)の正味財産の価額を上回るか試算する。
3)さらに配偶者が相続をするのであれば、配偶者が引き継ぐ遺産の額が1.6億円までであれば相続税がかからないことを考慮する。

まずは、2)までを行い、基礎控除を上回る財産が残るのかを試算してみると良いと思います。
上回るのであれば少なくとも相続税対策をしておくに越したことはありません。

仮に配偶者が全てを相続して、配偶者の税額軽減により相続税がかからなかったとしても、二次相続(配偶者が亡くなった際の相続)では、一次相続(先の相続)により配偶者が取得した遺産と、配偶者自身の遺産が合算されるうえ、一次相続より少ない人数の相続人で遺産を分け合うことになります。
一次相続で配偶者が無税になることを選択することで、結果として一次、二次トータルでみればかえって相続税が増えてしまう可能性もあります。
よって、基礎控除を超える遺産があるのなら、家族構成を含めて次の相続まで含めて対策をしておいた方が良いでしょう。

編集後記

相続のお仕事をさせていただいていますが、多くの財産を遺してお亡くなりになられる方を見ます。
中には投資信託などの長期運用にを前提にした遺産を遺してお亡くなりになられる例もあります。

子や孫に少しでも遺したいという親の気持ちと、親自身のために使って欲しいという子供の気持ち。
両親も子供もいる私にとってはどちらの気持ちも分かるなぁと思ってみています。

私も自分の親には自分の財産は自分のために使って欲しいなと思いますし、子供のためには少しは遺したいななんて思ってしまうものです。
相続税対策は家族それぞれに違うのではないでしょうか。
話しにくいテーマですが、少しずつ相続の話もしていけるといいなと思います。

横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。