資金調達ができたという結果で安心しない
会社にお金がなくて困った、
その対策として考えられるのが融資による資金調達でしょう。
実際に融資に申し込んで審査が通れば融資は受けられます。
「あー、融資も通ってお金も得られたのでよかった!」
ほっとしますね。
でもね、資金調達のときに一緒に考えてほしいのです。
そのお金でいかに利益を増やしていくのかということを。
そうしなければ、いつも借りられる会社にならずいずれ資金繰りに窮する可能性が残ります。
資金調達とセットで、次の借入れも見据えて考えるべきことがあります。
売上が増加した場合の借入れで考えること
売上が入金されるまでに支払が先行して必要になる業種があります。
売上が増加すれば、その分仕入金額も大きくなるので、
運転資金が増加します。
この増加運転資金を借入理由にできます。
前向きな理由ですので、金融機関としても貸しやすい融資といえます。
しかし、いくら必要かを具体的に提示できるように準備しておきましょう。
ただ売上が上げるからといって丸腰でお金を貸してと金融機関に行かないように^^;
具体的にいつ・いくら必要かを話すことができるよう準備しておきましょう。
増加運転資金を見通せる会社は利益も見通しているものです。
設備投資、事業拡大の場合の借入れで考えること
この場合、回収見込みの試算が必要です。
人間不思議なもので、お金が少なくなっているのに
将来のための投資と考えることで支払いに対する危機感が麻痺しがちです。
でも投資が必ずしも儲かるわけではないのです。
お金を使って満足していませんか?
使ったお金以上の儲けが出るかを試算して融資を申し込みましょう。
儲からない投資を続けていればいずれ会社は立ち行かなくなり
融資も出してくれなくなります。
同時に過剰設備があれば、売ってお金にすることを考えましょう。
融資を受ける以前に過剰設備をお金に変えることが先です。
原価の増加による借入れの場合に考えること
最近は本当に値上げに次ぐ値上げですね。
仕方のないことですが、ここでも資金調達より前に考えるべき対策があります。
それは値上げの交渉・販売価格への転嫁です。
仕入価額が上がっているのに、売上価額を上げなければ
当然利益は減ります。
以前見た情報では、なかなか売価への転嫁が進んでいないとのこと。
優しい日本人ならではとも感じますが、
値上げの痛みを自分だけが被る必要はないのです。
値上げは周知のことですから、その分を売価に載せたいことを交渉してみませんか。
案外納得してくれることもあるかもしれません。
利益の減少による借入れの場合に考えること
この場合は、融資とセットで販売戦略の見直しや単価の交渉が必要です。
商売は良い時だけではないことは銀行もわかっています。
しかし、いつまでも利益の減少を続けていくわけにはいきません。
よって、融資で資金をつないでいるうちに販売戦略の見直しや
単価交渉を行い利益を回復させることが必要です。
まとめ
資金調達を考えるとき、一緒に考えるべきことがあります。
資金の必要性を深掘りすると事業の課題が隠れていることがあります。
それを明らかにして、その解決策を考えることから資金調達は始めないといけないのですよね。
そんなの無駄だ、時間もかかるし!
と思うかもしれませんが、強い企業になることにもつながります。
資金調達と一緒にこの考え方も忘れないでいただきたいなと思います。