
本日は知らないと損してるかもしれないよ!というお話です。
コロナ借り換え保証制度ってなに?という方は、
もしかしたら自分が使える制度を見逃しているかもしれません。
コロナ借り換え保証制度知っていますか?
コロナ渦で多くの方が利用したゼロゼロ融資。
ゼロゼロ融資とは、実質無利子・無担保担の融資のことです。
コロナで経済がストップした際の、事業者の資金難を救済する融資制度でした。
2020年春に始まった本制度。
返済開始まで最大5年間の据え置き期間の設定ができるものでした。

コロナ融資の利用者の多くの方が、据え置き期間を3年以内に設定したようです。
ゼロゼロ融資の返済期間は10年と決まっていたので、
最大5年にしてしまうと残りの5年で完済しなければならず、
返済開始後が苦しくなるという考え方にもとづくものということです。
3年の据え置き期間が終わる2023年以降、多くの利用者の方の本格的な元金返済が始まります。
5類になりましたし、コロナは空けたという表現をされていますね。
コロナ前の活況を取り戻している方も多いでしょう。
一方でまだコロナの影響が完全になくなったと言い切れない方もいらっしゃるでしょう。
いずれにしても、コロナ渦を経ているわけですので、
資金繰りが安全という方は決して多くないのではないでしょうか。
その状況を鑑みて、国が肝入りで打ち出したのが冒頭のコロナ借り換え保証制度です。
コロナ借り換え保証制度の概要
🔳ゼロゼロ融資以外にも、他の保証付き融資からの借り換えや、新たな資金需要にも対応。
🔳保証期間 10年
🔳保証料率 0.2%等
🔳制度利用には、売上・利益の比較減少という要件を満たす必要がある。
🔳制度利用時の手続きには、経営行動計画書の提出が必要。
必ずしも誰もが使える制度ではないため、しっかり経営行動計画書を作成提出することが必要。
🔳制度利用後は、金融機関の伴走支援を受けることが条件。
つまり、借りてお終いではないということ。
この制度を使うことのメリットは
実質的にはリスケ同様の効果を、リスケ先と見られることなく受けられることです。
リスケ同様の効果だけどリスケじゃない、とは?
リスケ(リスケジュール)とは、銀行への融資返済をストップすることです。
もちろん、これには事前に銀行の承諾が必要です。
勝手にリスケしてはなりません。
そしてリスケをすると、その間は新たな融資を受けることはできません。
返さないことと借りられないことはセットです。
リスケをするということは、
このまま融資返済を進めると資金繰り上の問題が出る見込みがあるということです。
そのような厳しい中でリスケをするわけですから、
新たに融資が受けられないということは、
経営だけでなく社長個人の気持ちにも大きな負担となります。
しかし、コロナ借り換え保証制度を使うとどうでしょうか。
既存融資を借り換えて、またそこから据え置き期間の設定ができるのです。
例えば、2023年9月からゼロゼロ融資の元金返済が始まるとして、
その前の8月に借り換えを行ったとします。
借り換え後の融資の据え置き期間を3年で設定することができれば、
実質的には元金返済が2026年9月に延長されることとなります。
つまり、3年間返済が猶予されるわけです。
実質的な効果はリスケ同様なのです。
ただし、これはあくまで実質的な効果がリスケなわけで、リスケではありません。
リスケではないわけですから、新規融資の借り入れが受けられないわけではないのです。
銀行は教えてくれません
国の肝入りの制度ですし、ゼロゼロ融資を受けられている方にとっては利用したい情報であるにかかわらず、この制度をご存じなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それがなぜかというと、銀行が積極的に教えてくれるわけではないからです。
え?でも100%保証なんじゃないの?
と矛盾を感じられる方もいらっしゃるでよう。

100%保証とは、信用保証協会(銀行とは別団体)が融資の保証を行うことです。
銀行からすれば、仮に融資の回収ができなくなったとしても、
保証協会から返済を受けることができ、
銀行にとっては貸し倒れの危険がない安心な貸付けということができます。
それにも関わらず銀行が積極的に教えてくれないのは、面倒だからです。
銀行の儲けの一つに、融資による利息収入があります。
融資の金額が大きくなればなるほど、利息収入も多くなります。
よって、銀行は貸出額を多くしたいのが本音です。
しかし、同額で借り換えを依頼されたらどうでしょう?
貸出額は現状維持です、多くなるわけではありません。
一方で、借り換えによる手続きは発生します。
よって、同額借り換えは手間はかかるけど儲けのない仕事ということです。
そのため、積極的に情報を教えてくれるわけではないのです。
それよりは、新規の貸付を多くとった方が儲けが大きいということです。
使えるものは使おう相当な黒字見込みでない限り
銀行の都合はあるものの、社長にとって資金繰りは重要な問題です。
当面お金に困ることはない、という自信がある場合を除いて
コロナ借り換え保証制度の検討の余地はあるのではないかと思います。
資金がギリギリになるまで元金返済を続けてからコロナ借り換えをでは遅いのです。
もし、コロナ借り換え保証制度が使えなかったら、既存融資のリスケという別手段になります。
しかし、リスケにも資金は必要です。
先ほどお伝えしたとおり、リスケをすると新たな借り入れはできなくなるため
十分な手もと資金を残した上でリスケをしなければならないからです。
では、その検討を具体的にどうすれば良いかと言いますと、
先1年間のキャッシュフロー予測をすることです。
1年以内に資金繰が悪化する見込みがあれば、制度利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
本日はコロナ借り換え保証制度についてのお話でした。
肌感覚では制度の認知度はまだ十分ではないと感じます。
金融機関が必ずしも積極的に情報を教えてくれている状況ではありませんので、
この機会に一度制度の利用について考えてみられてはいかがでしょうか。