融資とは

「融資」とは、会社が事業に必要な資金を金融機関から借りることです。

借りるということは、会社にとっては返済義務や利息の支払義務が生じます。

貸す側の金融機関にとっては、利息による収入が目的です。

 

「融資」=「借金」の考え方は間違いではありません。

ただ、多くの中小企業にとって「融資」にメリットがあることも事実です。

融資を「受ける」or「受けない」の判断材料として、

融資のメリットについて考えてみたいと思います。

融資のメリット

①事業のスピードが速められる

「事業を新たに始めようとしたとき」

「事業を拡大しようとしたとき」

どのような業種でも、少なからず資金が必要です。

事業と資金は切り離すことのできない関係です。

 

仮に事業開始にあたり1,000万円の資金が必要な場合を考えてみます。

1,000万円を手もとに準備する必要がありますが、

これを貯金でまかなおうとすれば、長い年月がかかります。

新しいアイデアや、需要のあるノウハウも長い年月が経過している間に

他社に先方されてしまうかもしれません。

 

一方、融資を受ける場合はどうでしょうか。

自己資金300万円を準備し、残りの700万円を融資でまかなえば、

事業開始までの期間は大幅に短縮できます。

 

つまり、100%の事業資金を確保できない場合でも

融資によりまとまった資金の借入ができれば

創業や事業拡大にチャレンジすることができ、事業のスピードを速めることが可能です。

②事業の幅が広げられ、会社の成長につながる

新しい取引先との提携、新規分野への展開など、新たな試みを行う場合も資金が必要です。

在庫を持つ業種であれば、

新規の売り先が見つかった場合、まずは仕入による在庫確保が必要です。

しかし、資金がなく仕入れができなければビジネスチャンスを逃してしまいます。

仮に、仕入れ資金はまかなえたとしても、掛け売りをするのであれば、

売上から入金までに一定期間が必要です。

この期間を自己資金で乗り切ろうとすると、資金繰りが切迫する可能性は高まります。

 

また、新規分野への参入する場合も、

市場調査にはじまり、売上になるまでには数か月かかることでしょう。

業種によっては、人員の追加確保や設備投資が必要な場合もあります。

このようなケースでも同様に、先方して資金確保が必要となります。

 

融資により資金を確保することができれば、

会社の成長機会に必要な投資を行うことができ、会社の成長を促進することができるといえます。

③万が一への備え

新型コロナウイルスの影響により、

多くの会社が売上げ減少による資金繰りに苦労したことは記憶に新しいところです。

新型コロナウイルスだけでなく、

会社にとって不測事態はいつ起こりか想定できません。

「大手企業が同じ地域に参入してきた」、

「大口の取引先との取引が終了となってしまった」、

「経営幹部やベテラン従業員の退職」など、

会社を取り巻く環境は良くも悪くも変化するものと考えておいた方が良いでしょう。

 

不測の事態が生じた場合でも、会社に資金があれば社長は考える時間を持つことができます。

立て直しに時間がかかるのであれば、経営計画を練り直し、追加の融資を受けることも可能です。

一時的なものであれば、今ある資金で乗り切る選択もできます。

 

もし、会社に資金が無ければ・・・?

すぐに資金不足となり、会社が回らなくなります。

その時になって慌てて追加の融資を受けようとしても、

金融機関の審査を通る可能性は通常時より低いと考えられます。

 

常日頃から、融資を受けておいて会社に資金を持っておけば不測事態にも落ち着いて対応できるでしょう。

④社長が経営に集中できる

社長の仕事は言うまでもなく「会社の経営」です。

社長は常に経営判断が求められるといっても過言ではないでしょう。

会社の将来を考え、日々手を打っていくことが経営です。

 

ところが、資金不足の会社の場合、社長は安心して経営に集中することはできないでしょう。

数日先の支払や、資金調達の不安に悩まされることとなり、

社長がお金の不安を抱えながら経営を行うこととなります。

 

そうすると、会社の成長より、資金繰り面を重要視した経営判断になりがちとなり、

会社の経営はますます苦しくなると言えるでしょう。

 

例えば、

「粗利が極端の少ないにも関わらず入金が通常より早い仕事を受ける」

「一発逆転を狙った投資に手を出してしまう」

「金融機関以外から高い利息でお金を借りてしまう」、など。

 

こうなってしまえば、社長の仕事はもはや経営ではなく

日々の資金繰りがメインとなってしまいます。

社長の心労も極限状態になってしまうことでしょう。

そうなるとさらに悪循環になります。

 

会社に資金が多くあれば、資金不足や資金繰りの不安にさらされる必要は極めて少なくなります。

社長が本来行うべき会社経営に集中することができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

「融資」=「借金」の考え方は間違いではありませんが、

会社にとって融資は、消費でなく、将来の事業投資です。

その点、個人の「借金」とは性質が異なります。

多くの資金を確保して事業を行える環境が整っている場合は別ですが、

そうでない場合は、「融資」について検討を行ってみるのも良いでしょう。

横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。