【事業評価の基準は?】「率」と「額」では全然違う

会社を始めたときに作成するもののひとつに経営計画があります。

経営計画に書くべき内容に決まりはありませんが、
自分の事業を今後どのように成長させるかという観点から
概ね、売上・投資・利益計画やそれを達成するための行動指針などを書くことが多いです。

事業計画書は作った時点では単なる計画に過ぎませんから、
計画書通りに事業が進んでいるのか、つまり検証ツールとしても活用されるものです。

でも、物事はなかなか計画通りにすすまないものです。
そうなれば当然計画と実績にも差が生じることとなります。

例えば、売上800万円の目標に対して実績が1,000万円だったとしたら?
達成率は125%です。

一方で、売上1,5000万円の目標に対して実績が1,200万円だったとしたら?
達成率は80%です。

達成「率」で比較すると、売上の少ない前者の方が目標達成となり、
売上が多い後者は未達成ということになります。
これってどうなんでしょうか?

「率」<<「額」が大事です

今回のお話の結論は、達成「率」も大事だけど「額」を重要視しよう!というお話です。

ではなぜ「額」にこだわった方が良いのか、その理由を3つご紹介します。

1「率」だけ達成しても必要な事業資金が確保できるわけではない

先ほどもお伝えしたように、事業計画はあくまで計画です。
よって、極論を言えば、絵に描いた餅のような煌びやかな数字でも良いですし、
目標を低めに手堅く作っても良いということです。

手堅く作れば作るほど、達成の確率はあがるといえます。

では、先ほどの例のように売上800万円の目標に対して実績が1,000万円だとどうでしょうか。

もちろん「率」だけで考えれば目標は達成していますが、
それよりも、売上1,5000万円の目標に対して実績が1,200万円の方が
より多くのお金が手元に残るといえます。

売上と経費の中身は考えといけないよね、という話は別として
やっぱり「額」が大きい方が評価できると言えるのではないでしょうか。

とりわけ一人仕事の場合、自分だけ食べていければ良いので目標額が低いケースがあります。
手堅いことが必ずしも悪いことではありませんが、
あまりに低いと、いくら「率」を達成しても必要なお金がなく
事業資金が足りないということになりかせません。

2「率」を達成したら頑張らなくなってしまう

ゴールが見えたら気が緩む。
誰しもそんな経験はあるのではないでしょうか。
ましてやゴール、つまり目標を達成したあとはさらに緩んでしまうものです。

「率」を低く設定して、達成したら緩んでしまうより、
事業経営に必要な「額」の目標に向かって励む方が経営上は評価できるといえます。

3「率」の達成は割と困難である

こちらは2と逆のパターンです。
「率」と低めに設定する考え方がある一方で、
仕事上の目標を高く設定しすぎる方もいます。

真面目で頑張り屋な日本人ならではかもしれません。
でも、高すぎる目標は到底届かず、常に未達成ということにも考えられます。

また、前年度比+120%のような目標の場合
常に過去を超えていかなければなりませんので、
かなりのプレッシャーがかかります。

このような状態が続くと人間の心は折れるものです。

事業経営に必要な「額」を目標にした方が精神衛生上もずっと良いのではないでしょうか。

まとめ

本日は事業評価は率ではなく額で行うことが大事ですという話でした。
私自身も独立してひとり仕事がはじまったばかりです。
「率」も大事ですが「額」を意識してまずはやってみようかなと!

横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。