貸借対照表とは?
貸借対照表とは俗に言うBS(バランスシート)の事です。
決算書で最初に表示されるページがこの貸借対照表です。
貸借対照表とは、ある時点における会社の資産、負債、純資産を示すものです。
実は貸借対照表を見るだけで、かなりいろんな事が分かるのです。
その意味で、貸借対照表は社長が喋らずとも会社の状況が分かる情報庫です。
銀行による融資審査においても必ず貸借対照表はチェックされます。
よって、銀行融資を受けている(受ける予定がある)会社は常日頃から貸借対照表を良い状態にしておくことが必要です。
良い状態に磨き続けることを「ブラッシュアップする」と私は呼んでいます。
急な資金需要の際に急いで貸借対照表をブラッシュアップしようとしても後の祭りです。
すぐに貸借対照表をブラッシュアップすることは難しいです。
概ね2.3年は期間が必要でしょう。
貸借対照表のブラッシュアップなんてできるの?
貸借対照表をブラッシュアップすることはもちろん可能です。
しかし、それには社長の気持ちが大切です。
今しがた資金繰りに困っていないからブラッシュアップする必要性がない。
そう感じられている方も多いでしょう。
ただ、今後ずっと資金繰りが安全かどうかは誰にも分かりません。
不測の事態が生じたら、固定資産を流動化させて現金を得る、短期サイトの支払を待ってもらうなど資金集めに奔走しなければなりません。
そんなこと、誰もしたくないものです。
日頃から、貸借対照表をブラッシュアップしておくと融資を受けやすくなります。
そうすれば資金繰り難に見舞われる可能性も低くなります。
具体的にどうブラッシュアップするの?
資産は上が大きい、負債は下が大きい。
このイメージに近づけて行くのがブラッシュアップです。
図にするとイメージがわきますね↓

資産の部は上に行けば行くほど、流動性が高い。
つまり使いやすい資金となります。
流動性が最も高いのが【現金預金】です。
現金預金は色のない資産ですので、どんな支払にあてることもできます。
また、換金不要でいつでも使うことができる資産です。
一方、資産の部の下の方に位置する固定資産(土地や建物)は流動性が低く、扱いづらい資産です。
もし、同じ資産100の会社があったとして。
その内訳は、A社が現金預金100、B社が土地100であれば、A社の方がブラッシュアップされた貸借対照表と言えます。
もしこの状況で、20の商品を買おうとしたら?
A社は手元にある現金預金ですぐに商品を買う事ができます。
一方B社は土地を売って現金預金に換えなければ、商品を買う事ができません。
つまり、なにが言いたいかというと資産の内訳を意識して欲しいということです。
もし、以下のようなものが貸借対照表の資産に含まれているなら、売って現金化しても良いでしょう。
・不用な固定資産
・老朽化している固定資産
・不良在庫
・事業に関係のない有価証券
売ってしまうと、含み損が発生して資産が目減りしてしまう事を心配されるかもしれません。
売るにも痛手を伴う覚悟が必要なのですよね。
それでも、出来れば売ってしまった方が良いでしょう。
なぜなら、銀行融資における審査の現場では、含み損は会社の評価に織り込みずみなのです。
含み損が発生している資産は、会社の評価において減額されています。
よって、売ったところで銀行からの評価に影響はないのです。
それどころか、早めに売ることで膿を出しておけば、副次的に税金も少なくなります。
売って得た現金と税金を払わなくて済んだ部分を合わせると、単に損をしたとは言いづらいでしょう。
一方、貸借対照表の負債の部は下に行けば行くほど良いです。
例えば負債の部の上の方にある短期借入金。
これは、先1年以内に全額返済をしなければならない借入金です。
一方、負債の部の下の方にある長期借入金。
これは、数年間かけて全額返済を進める借入金です。
これら2つを比較した場合、どちらに比重をおけば良いでしょう。
答えは長期借入金です。
利息負担は短期借入金より多くなりますが、それ以上に毎月の返済額を抑える事ができ、資金繰り上メリットと言えるからです。
銀行融資を受ける時に、手形貸付でなく証書貸付にすれば貸借対照表のブラッシュアップができるということですね。
また、銀行からすれば見通しが立てやすい短期で融資を行いたいものです。
その状況の中で長期借入金で資金調達ができているということは、貸借対照表を通してその会社の信用力が高いというアピールができることにもなります。
まとめ
貸借対照表のブラッシュアップについて、方法を交えてご紹介しました。
スポット相談
ブラッシュアップは意識的に進めて行く事が可能です。
ただすぐにできるものはありませんので、日頃から少しづつ進めて行く必要があります。
編集後記
今日は徳島県から神奈川県に一気に移動しています。
blog執筆はその道中にて(^^)