黒字化と資金力はセットで向上したい
事業を継続的に発展させていくには、黒字化と資金力の向上が必要だと考えています。
黒字化と資金力は常に結びつきのあるものです。
黒字化で財務体質を強化し、資金力で経営の血液となる資金を確保する。
そのため両輪を向上することが事業の発展に必要と考えています。
黒字だけではダメな理由
黒字倒産という言葉は誰もが耳にしたことがあるでしょう。
売上高は上がっても入金までに時間がかかり、そのうちに仕入代金の決済が先行し資金ショートを起こすなどが原因です。
つまり、黒字であってもキャッシュフローを意識していなければ倒産のリスクが常にあるということです。
一言に黒字と言っても
とはいえ、黒字であることは事業の継続に欠かせません。
一方、黒字化すればするほど税金は多くなります。
そのため、金融機関からの融資も滞らないだろうし、毎期少しだけ黒字という考えもあります。
売上高が毎期伸びているはずなのに、利益を見ると毎期決まって少し黒字。
増収の一方、売上高利益率は減る逆さや状態です。
新規事業への投資、事業の成長戦略のための投資など、未来への投資のために売上高利益率が落ち込む期があるのは致し方ないでしょう。しかし、その場合も投資に見合う利益予測が立っていることが前提です。
一方、納税したくないばかりに会社の経費で無駄使いしてしまうケースは避けたいです。
例えば、従業員全員参加の交流会を開催する、まだ使えるのに新しい備品に買い替えるなど。
前者のケースは、従業員の交流を図り社内コミュニケーションを円滑化するという大義名分を果たしているように見えますが、
果たして従業員はそれを望んでいるのでしょうか。
会社にしっかり利益を蓄え、財務体質が年々向上される会社で働き、
しっかり給料として還元されることの方が安心ではないでしょうか。
また、現在はコロナショックによる経済打撃が続いています。
コロナショック以前にも東日本大震災、リーマンショックなど10年に1度程度は経済的打撃が到来しています。
このような事態が発生した際、平常時に少しの黒字を積み重ねていても太刀打ちできません。
なぜなら、コロナショックでは店舗営業がストップし、売上が数か月見込めない状況が起きました。
一方で、売上に関わらず人件費や家賃などの固定費は毎月支払わなければなりません。
このような状況でも手元にこれまでの利益で蓄えた資金があれば、会社を継続させることは可能です。
不測の事態が生じた場合でも、資金力があれば、目先の数字を追わず合理的な経営判断を行える可能性は高まります。
他にも、利益率の良い取引先と契約できそうだが、先行して仕入れが必要な場合など。
資金力があれば経営判断のスピードや選択肢が広がります。
そのためには、平常時から増収と経費削減に取り組み、いざという時のお金を蓄えておくことが必要です。
資金力だけではダメな理由
手許にすぐ使えるお金(現預金)が多いほど、資金力がある会社といえます。
不測の事態に備え、手許のお金を多く持っておくというのは大事な考え方だと思っています。
資金力強化の方法には、融資、増資、助成金・補助金、クラウドファンディングなどがありますが、
中小企業にとって現実的で多額の資金調達が可能なのは融資ではないでしょうか。
融資は会社の資金力を強化してくれますが、融資で得たお金は返さなければいけないお金でもあります。
会社の財務諸表では負債の部に「短期借入金」または「長期借入金」として表示されます。
つまり、融資は資金が増える一方で、見合いの負債も増えるということです。
負債である以上、会社にとっては返済の義務があります。
金融機関も融資を行う際、返済を行う力がある会社との判断ができなければ、融資の話を進めてくれません。
金融機関が融資の是非を判断する基本は財務情報です。
非財務情報による融資の推進も取組まれていますが、ベースは変わりません。
そのため、財務情報の良い会社、すなわち黒字の会社であることが融資の前提となります。
いかがでしたでしょうか。
会社の継続には、黒字化と資金力の両輪を向上させる必要があるというお話をしました。
どちらかが失速すれば双方に影響があり、会社経営に影響を及ぼします。
継続的に発展できる会社とは何か、私が現在考えていることを綴ってみました。
今後さらに詳しく学んでいきたいと思います。