電子帳簿保存法の改正&改正

電子帳簿保存法、世の中がザワついたのは2021年でしょうか。


コロナでリモートワークが普及したとはいえ、
まだ混乱が収まっていない最中、彗星のようにあらわれました。


電子取引の強制データ保存、できなければ青色申告取消も。


( ゚Д゚)!
世の中の反応は寝耳に水という感じの肌感でした。


いわばネガティブイメージからスタートした電子帳簿保存法。


でも、それがかえって良かったのかもしれません。
一気に注目度があがったおかげで、より使いやすいものにしようという動きも高まりました。



事実、近年は改正が相次いで行われています。
いずれも、要件が緩和される(=納税者のみなさまにとっては良い)改正です。




とはいえ、正直電子帳簿保存法はまだわかりづらいのです。
全8条の短い条文構成ですが、言葉の定義が難しかったり、要件が細かかったり。



条文を細かく読んでいるのは税理士だけかも。
現場の温度感はそうです。


実際の取引にあてはめて、具体的にどうすれば良いかを知ることが
一番近道な気がしています。




習うより、慣れろ発想です。


※冒頭の電子取引(紙を一切使わずにデータで取引を受領するもの。
たとえば、メール添付の電子請求書など)は、
2023年の改正で、猶予措置ですが紙保存も認められるようになりました。

領収書をもらったらどうする

では、実際に。



モノを買って紙の領収書をもらった場合。
日常でよくあります。


電子帳簿保存法的には、どう保存したらよいでしょうか。


この場合、紙の領収書をデータ化し保存します。
電子帳簿保存法的には、これをスキャナ保存といいます。


※スキャナ保存とは、
 紙で受け取った取引書類(領収書のほか、請求書、納品書、契約書など)を
 スマホやスキャナでスキャンし、そのデータを保存することです。


つまり、紙で受け取ってた領収書は、スマホで撮影してデータ化し、保存する。
流れはシンプルです。



ただし、ここで注意したいのはとりあえずデータ化すればなんでもOKというわけではないことです。


複数の要件を満たさなければスキャナ保存とは認められません。

・入力期間の制限
・一定水準以上の解像度による読み取り
・カラー画像による読み取り
・タイムスタンプ付与 など


シンプルになったとはいえ、やっぱりちょっと取っ付きづらいよ、電帳法さん。
というところです。

クラウド会計に保存、やってみませんか?

では、またまたどうすれば良いか。


クラウド会計に保存してしまおう!という1つの提案です。



私の知る限り、freeeとマネーフォワードは次のスキャナ保存の要件に対応しています。

・タイムスタンプの付与または訂正削除システムへの保存
・バージョン管理
・スキャン文書と帳簿との相互関連の保持
・検索機能の確保




加えて、システムでは対応できない運用上の要件、
・入力期間(概ね7営業日以内、別途規定を作成した上で2ヶ月)
・最新の端末での読み取り



以上でスキャナ保存に対応できます。


ちなみに、スキャナ保存の要件を満たしていれば、
スキャンデータで消費税の仕入税額控除(消費税の計算上、預かった消費税から差し引いて税金計算を行うこと)
が可能です。
消費税上もスキャナ保存で対応可、ということです。

まとめ

電子帳簿保存法はなんだか難しいなというイメージです。
でも一つやってみれば案外簡単にできたりします。


スキャナ保存に限らず、できそうなものから取り組んでみると良いのではと思っています。


ただ、スキャナ保存の場合、紙の書類をスキャンするのがそもそも手間ではあります。
いずれは電子取引(最初から最後までデータでやり取りし保存)がメジャーになれば
それこそ、電子帳簿保存の真の姿に近づくような気がします。

横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。