SWOT分析とは
SWOT分析という言葉をご存じの方も多いと思いますが、
SWOT分析とは、経営改善の方向性を定める分析手法です。
4つの項目にもとづく分析を行い、
改善策の洗い出しや戦略の方向性を導き出すことに活用します。
4つの項目には、
Strengths=強み
Weakness=弱み
Opportunity=機会
Threat=脅威
があり、頭文字をとってSWOT分析です。
自分(自社)にあてはめて4項目の洗い出しを行い、
以下の戦略の方向性を導きます。
強み×機会=積極的戦略
強み×脅威=差別化戦略
弱み×機会=改善戦略
弱み×脅威=防衛・撤退戦略
そして、その戦略に対して
自分(自社)が今後取るべき方向性を具体的に導き出し経営改善を行います。
図にすると以下のようになります。

行列の絶えない皮膚科の場合
以前私が住んでいた地域で人気(病院だから人気というのもヘンですが)の皮膚科がありました。
休日平日問わず、いつも大勢の患者さんがきます。
この皮膚科もSWOT分析を用いた戦略で説明ができると思うのです。
SWOT分析の項目に当てはめると、
強み=医師が納得するまで説明してくれる、患者の話をさえぎらず聞いてくれる
看護師・受付の方も丁寧で親切
弱み=大勢の患者さんがいて、待ち時間が長い。
機会=中核都市の大通りに面した立地、住宅街やバス停が近くにある。
半径5キロ以内に他の皮膚科が2件しかない
脅威=駅から遠い
さらに各項目を掛け合わせた戦略は、
積極的戦略(強み×機会)
競合が少ない地域に立地する分多くの患者さんを獲得できる機会を生かし、
親切丁寧な対応で患者様のかかりつけ医になる。
差別化戦略(強み×脅威)
駅から遠いが、中核都市であるため住民はたくさんおり、
その住民の方にとっては駅に近い皮膚科が逆に行きづらい。
駅から遠くても多く患者さんの確保はできるため、
親切丁寧な対応で周辺地域の患者さんをしっかり確保する。
改善戦略(弱み×機会)
大勢の患者さんに受診してもらえるようにWeb予約システムの導入を行う。
住宅街に近いため、会社勤めの方もかかりやすいよう、平日の夜間や休日診療を行う。
弱み×脅威=防衛・撤退戦略
今後も大勢の患者が見込まれるため、医師の増員や分院設置の検討。
駅周辺の地域の開拓を進めるか否かの検討。
という感じになるでしょうか。
この中でも特に重要なのが積極的戦略です。
先の皮膚科は積極的戦略のもと、
取るべき方向性を間違っていないからこそ成功を続けているのだと感じます。
自分(自社)をSWOT分析するのは難しい
とはいえ、自分(自社)のSWOT分析ほど難しいものはないと思うのです。
特に強み・弱みは難しいと感じます。
なぜなら、日常で強み・弱みを意識する機会が少ないからだと思います。
人は無意識的な選択を繰り返して生きているものです。
自分の強みや弱みに基づき選択をしているものなのでしょうが、
無意識下なので言語化するのが難しいのでしょう。
経営に関して腰を据えて考えるようになって初めて強み・弱みを考えたという方もいるくらい。
そういうときは、例えば既に会社の経営されている方は、
なぜ自社を選んでくれているのか?をお客様に聞いてみるというのも良いと思います。
企業で働く方は、上司や同僚に聞いてみるのが良いと思います。
案外自分が思っていたことと違った答えが返ってくるかもしれません。
SWOT分析は簡潔な分奥が深いです。
その分、しっかり取り組むと正しい方向性が見えてきて効果があると思います。
自分自身と向き合うのは苦しみもありますが、
方向性を間違えた努力はより苦しみが生まれます。
最初にしっかり分析をして走り出すことができれば、その後は少しずつ楽に。
私自身も定期的に自分のSWOT分析を行うようにしています。
みなさんも、良ければぜひ♪