ギャンブルで負けたとき、
取り返そうとして一か八かの掛けに出る。

というのは良く聞く話ですよね(^^;

私はギャンブルはしないのですが、この気持ちわからなくもないです。

例えば、テスト前夜の一夜漬けとかも同じ心情でしょうか?
人間の心理上、苦しい時は一発逆転しようとしてしまうものです。

業績不振の時こそ、冷静に。

では、業績不振のときにどういった戦略に出れば良いのでしょうか?

それは、「ダメージを最小限に抑える」方法をとることです。
負けているときに感じる閉塞感から、儲かりそうな話に飛びつきそうになります。
人間そういうものです。

ただ、戦略としては一発逆転を狙うより、ダメージを最小限に抑える。
負け切る可能性を極力なくすことが大事です。
儲かりそうな話に飛びついてはならないのです。


では、なぜ「儲かりそうな話に飛びついてはいけないのか」と申しますと、
理由は2つあります。


1つ目は、自分にとって本当に儲かる話なのか?ということです。

他の誰かにとっては確かに儲かる話なのかもしれません。
でも、自分にとってはそうとも限らないのです。

なぜなら、自分の専門分野ではないかもしれませんし、
ノウハウがある分野でないかもしれません。

それに、儲かる話なら、もうそこには競合が進出しているはずです。

新規参入したところで、熾烈な争いに割って入っていかねばなりません。
勝算は低いと言えるでしょう。

では、競合がまだ進出していないような、
新市場を作り出すような戦略なら良いのでは?
との考えもあります。

でも、これはこれで危険です。
その市場を世間に広めて認知してもらうには時間もコストもかかります。

業績不振の時に打って出る戦略とは言えないでしょう。


そして、「儲かりそうな話に飛びついてはいけない」2つ目の理由は、
そうすることが会社に最もお金を残すからです。

儲かる話は、たいていの場合、多額の支出が先行して必要です。
業績不振のときに、さらなる資金支出は避けたいものです。
一歩タイミングがずれれば、資金不足になり会社が倒産してしまう危険もあります。

よって、業績不振のときこそ冷静になって一発逆転は狙わない戦略が必要です。

具体的な戦略

では、業績不振のときに具体的に何から手を付ければ良いのでしょうか。

それは、不採算事業を直ちにやめる、または縮小することです。

事業をやめるまたは撤退するのは覚悟が要ります。
思い入れもありますし、苦労をして続けてきた事業だからです。

ただ、それを続けていては会社自体が成り立たなくなり
いずれその事業はできなくなってしまいます。

ここは覚悟が必要です。
やめる、ではなく、いったん寝かすと考えても良いかもしれません。
気持ち的にもそう考えておいた方が、また戦略を練って再出発させたらよいと前向きになれます。

そして、寝かしているうちに、立て直しの方法を考えます。
ここで大事なのは、資金調達もあわせて行うことです。
経営改善計画書を準備して銀行との交渉が必要でしょう。


また、立て直しは既存顧客を基軸に考えます。
既存顧客に対して追加サービスや新たなニーズの発掘を行い、堅実に売上を上げる方法を考えましょう。

業績が回復したらやること

無事に業績が回復してきたら、新しい戦略に打って出る時です。
その時でも、万が一の事態は織り込んでおくと良いでしょう。


・新しい投資に失敗しても、会社が潰れるほどのダメージを追わない範囲にすること
・全く新しい分野でなく、既存事業の強みを掛け合わせられるものにすること
等のルールを定めておくこと良いです。

ルールを定めることで逸脱していないかが客観的に判断できます。

より良いのは、数字で定めておくことでしょう。


たとえば、
1年間の投資額=(経常利益+減価償却費△法人税)の10%、
などの具体的な上限値を決めておくのです。

まとめ

業績が良い時だけでなく、一時的に悪くなる時もあるでしょう。
悪い時がある、ということを想定しておくことも大事です。

そうすることで、万一業績不振になってしまったときでも冷静になれるでしょう。

そのうえで、そうなってしまった時には、一発逆転にでないで堅実に売上を固持することです。
資金繰りは厳しくなりますから、融資が受けられるように交渉もしつつ、です。

ただ、やはりその時になって融資を申し込むより、好調な時の方がスムーズに融資を受けられます。
日頃から、手元資金の確保が必要と言われるのはこういった理由もあるのです。






横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。