大山加奈さんの引退後の活動
先日yahooニュースを開いたら大山加奈さんの記事が載っていました。
大山加奈さんといえば、「パワフルカナ」の愛称で親しまれた元プロバレーボール選手です。
幼いころからバレーボールをはじめ、
高身長と力強いスパイクを武器に実業団やオリンピックでも活躍されました。
引退後は結婚・双子のママさんとなられ、
全国での講演活動や試合解説、バレーボール教室など精力的に取り組まれています。
先日のyahooニュースでは、要約すると以下のように仰られています。
・勝利至上主義の部活動で、子どもの心を置き去りにして周りの大人が過熱した結果
精神的・身体的に苦しむ子供がいること。
・勝利よりも、技術面やメンタル面、栄養面の指導、身体的なケアのほうが重要だ
という発想に時代は変化しているものの、未だに精神的に追い込む指導が残っている
事実もあると感じられること。
・それを変えるためには大人が知識をアップデートすること。
子どもたちの未来を護るために、何のためにスポーツをするのかという「目的」
を大人が一緒に考え、スポーツを通して人生を豊かにすることを大事に考えること。
大山さんと言えば、バレーボール強豪校のエースとして
常に第一線で活躍されていた存在なので、その言葉は意外と言えば意外です。
ただ、大山さんご自身が勝つことだけが評価の軸となる世界で
感じられたプレッシャーや心身の苦しみは、世間の評価とは真逆だったのだと想像します。
スポーツ選手=強いというイメージですから、
そのようなリアルな気持ちもなかなか吐き出すことができなかったのではないでしょうか。
その経験が現在の活動に繋がっているのではなかと思います。
自分の青春時代
さて、なぜ私がこんなに大山加奈さんのことを知っているか?
というと、実は私も小中高とバレーボール部に所属していました。
そして、年齢も1つ違いで、大山さんの活躍を間近で見聞きしていました。
私自身の幼少期を簡単に振り返ると、
仲の良い1つ年上の友達がバレーボールをしていることを知り、
私も小学3年年生でバレーボールを始めました。
当時から身長が大きかったので、ポジションはアタッカーでした。
小学時代はキャプテンとエースで、県大会では準優勝を経験しました。
ただ、これは周りの子供との身体差によるメリット=身長が大きかったこと
(小学卒業時で165センチくらいありました)
により活躍ができたわけで、
私自身が運動神経に長けているわけでは決してありませんでした。
中学時代もバレーボールを続け、エースとして県大会で上位の成績を残しました。
中学時代も周りと比較して相対的に身長が高かったことでかろうじで活躍すること
ができていたと思います。
転機が訪れたのは高校時代です。
バレーボール推薦で親元を離れた高校に進学し、同時に寮生活を始めました。
最初にびっくりしたのは、高校入学前に練習に参加した時でした。
全然練習に付いていくことができなかったのです。
これまで練習に付いていくことができない経験がなかったのでショックでした。
まだ、高校に入学すらしていないのに、バレーボールを続けられるのか、
いや、バレーボール推薦で入学した高校を入学前から辞めることなんてできない
とどうしようもない不安を家族もいない寮生活で一人で抱えていました。
案の定、高校時代は全くバレーボールでは活躍できず。
推薦で入学したものの、レギュラーにはなれませんでした。
ただ、幸いなことにバレーボール部の部員のみんながとても仲が良く
いつもたわいもないことでお腹を抱えて笑うことができ、
辛い練習も部員のみんなのおかげで乗り切ることができました。
高校時代には春高バレーにも出場しました。
自分がレギュラーでないということは全然ひがむこともなく
むしろ大好きな部員のみんなを支える立場で春高出場できた経験は
今でも宝物です。
このような感じで
私の青春時代はバレーボールまっしぐらだったということになります。
(ルーズソックスはもちろん禁止だったので、ずっと憧れでした(笑))
心が辛かった経験=人を強くするわけでないと思う
自分の経験を振り返ってみると、
大山さんの言うとおり勝利至上主義の時代の最中でバレーボールに明け暮れていたと思います。
自分の気持ちをふり返る余裕もなく、
とにかく言われるがままに練習を続けていました。
というより、薄々気づいていた違和感に向き合ってしまうと
バレーボールを辞めてしまう懸念があったというのが正直なところでした。
今でも当時の事を思い出すと心が痛みます。
私の場合、バレーボールをしていたことで良かったのは、
仲間とのチームプレーを通して一生涯の絆ができたことです。
今でも仲が良く、定期的に遊んでいます。
決して辛かった経験により身体能力やメンタルが強くなったとは感じません。
ただ、今現在一生懸命スポーツに取り組んでいる子供たちを否定する気持ちは一切ありません。
子ども本人が必至で頑張りたいと思う気持ちがあれば応援したいです。
子どもたちは好奇心旺盛ですし、素直で純粋で頑張り屋さんです。
親が子供を護る気持ちがあっても、指導者とのめぐり合わせで良くも悪くも影響されます。
子どもたちのかけがえのない心を大人がしっかり護ってあげることを常に意識したいと感じます。
きっとそれが大人になってからも、スポーツをやっていて本当に良かったと思い、
スポーツをやめたあとも子供の心の中に温かく残り続けると思います。