創業融資の入金口座は個人口座と別がいいワケ
創業融資を受ける場合、入金口座の指定が必要です。
特に、多くの方が利用される日本政策金融公庫は預金業務を行っていません。
よって、どこかしらの口座を事前に用意しておかねければなりません。
すでに持っている個人口座でいいのでは?
そう思われる方もいらっしゃるでしょうが、
法人口座を開設し、そこに入金するように準備しましょう!
ではなぜ法人口座に入金した方が良いのか?
1つは、今後の融資で経営者保証を外しやすくなるからです。
経営者保証とは、金融機関から融資を受ける際に、
経営者の方個人が会社の連帯保証人となることです。
会社が倒産して融資の返済ができなくなった場合は、
経営者の方が会社に代わって返済することを求められます。
しかし、経営者保証が外せない事によるさまざまな問題から、
最近では経営者保証に頼らない融資へと舵が切られています。
融資の際に経営者保証を求めるかどうかの要点は、
「経営者保証に頼らない融資のガイドライン」で示されています。
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/
(中小企業庁 経営者保証に関するガイドライン)
このガイドラインの1つに以下があります。
「資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている」
すこしわかりづらいですが例えば、
会社で受けた融資を個人口座に入金した場合、会社と経営者個人の口座でお金のやりとりが発生してしまいます。
そうなれば、法人と経営者が明確に分離とはいいづらくなります。
その対策として、会社の口座に入金すれば問題ありません。
また、法人口座に入金をすることで今後の融資の呼び水にもなります。
日本政策金融公庫の融資は民間金融機関の補完の位置付けですから、
今後融資を受けたい金融機関で口座を開設し、そこに日本政策金融公庫からの創業融資を入金します。
口座取引をみれば、
日本政策金融公庫での融資実績、返済実績が把握でるわけで。
融資実績と返済実績が、会社の信用になり、その後の融資を受けやすくなります(呼び水効果)。
今後付き合いたい民間の金融機関を先に選定しておき、その口座に入金することがおすすめです。
注意点は、日本政策金融公庫の創業融資はネット銀行への入金ができません。
地元の信用金庫、信用組合、地方銀行などの口座が良いでしょう。
会社の口座を作るには謄本が必要
開業時はとかくお金がかかります。
だからこそ、融資はできるだけ早く受けたいものです。
しかし、法人口座の開設は個人口座にくらべて作りづらいのが実態です。
犯罪に悪用されるリスクから、会社の実態など厳しく審査されます。
口座開設の際には、会社の実態を示すために
の謄本(=履歴事項全部証明書)の提出が求められます。
この謄本ですが、役所の窓口に行ったら用意されているというものでなく。
自ら作成し登記申請しなければなりません。(司法書士に依頼することも可能です。)
何がいいたいのかというと、会社の銀行口座はすぐには開設できないということです。
スケジュールはこう!
では、開業後できるだけはやく入金するためにはどうしたらよいのでしょうか?
運転資金の融資を受ける場合のスケジュールをまとめてみました。

まずは、次の2つを同時に進めます。
①会社設立登記
会社設立登記を完了させることで、謄本の取得が可能になります。
この手続きは概ね1-2週間見ておいた方が良いでしょう。
融資の申し込み書類に謄本が必要ですので、それまでに取得できるようにしましょう。
②日本政策金融公庫のへ相談申込→事前相談・必要書類
相談申込で相談日程の調整を行います。
概ね1週間以内でアポイントが可能でしょう。
(オンライン相談も可能です)
その後、事前相談で教えてもらった必要書類を準備します。
その必要書類の中に会社の謄本があります。
次に、会社の謄本の入手ができたら、以下の2つを同時に進めます。
①日本政策金融公庫へ書類提出
謄本のほか、必要書類を添付します。
オンラインでの提出が可能です。
②口座開設
謄本のほか、必要書類をそろえたうえで口座開設を行います。
融資の契約・入金までに口座開設を完了させるようにします。
なお、飲食店など一部の業種は、許認可証の提示が必要な場合があります。
その場合は、許認可証の取得も事前に行う必要があります。
その後は、日本政策金融公庫からの連絡を待ち、
面談→審査結果→契約・入金という流れになります。
まとめ
開業時は、どのような業種でも少なからずお金がかかるものです。
できるだけ早く融資を受けるためには、必要書類を事前に把握し、
取得までの期間を逆算してスケジュールを組むことをおすすめします!
開業時にうまくお金の流れをコントロールできれば、自信になりますし、
その後の資金繰りも楽になるものです。
ぜひ1度ご検討ください☆彡