個人事業の場合でも会社の場合でも
成長ステージではお金が必要になります。
その中でも特に、売上げの見込みが不安定な創業初期には多くのお金が必要です。
無借金経営にこだわるあまり、資金ショートが起こり廃業に追い込まれる
ということは現実に起こり得る可能性があるということを知っておきたいものです。
現に、中小企業庁のデータによれば、
平均して1年以内に3割、3-5年で4-6割が廃業に追い込まれているという
実態があります。
個人事業や小規模な会社がこのような事態になってしまうのは
資金が枯渇し、手もとのお金がなくなってしまうため
といっても過言ではないでしょう。
融資を受けることで会社のお金を増やすことができていたなら、
事態を回避することは可能です。
そこで、本日は創業時の融資の受け方についてまとめました。
融資の種類
創業時に検討する融資の種類は大きく2つあります。
①日本政策金融公庫からの借入
②民間金融機関(銀行、信用金庫)からの借入
この中でも、①日本政策金融公庫からの借入である新創業融資がおすすめです。
日本政策金融公庫は政府系金融機関とも呼ばれており、
100%政府が出資した金融機関です。
そのため、
中小企業の経営を後押し、経済の発展や産業の振興、国民生活の安定を図るという
国の政策を実現するために、創業期の事業者に積極的な資金支援を行います。
まだ事業の実績がない創業前の事業者でも
融資を受けやすく、着金までの期間も民間金融機関より早いため、
創業時にはぜひ検討したい融資と言ってよいでしょう。
なお、日本政策金融公庫からの借入実績は
将来融資を受けやすくするためにも良い影響があります。
実は、金融機関は他行状況(他の銀行からどのような借入があり、返済がきちんと行われているか)
を気にします。
他行ですでに借入実績があり、きちんと返済を行っていれば、
それが実績となり、他の金融機関からも良い評価を受けることができ、
結果、その後の融資を受けやすくなるというものです。
つまり、まず始めに日本政策金融公庫で借入の実績を作ることができれば、
民間の金融機関は
「日本政策金融公庫から借入・返済の実績があるから貸出先として信頼できる会社だ、当行も積極的に支援しよう」
となるわけです。
これを呼び水効果とも言います。
将来的には民間金融機関からの融資をメインとしていく場合でも
その足掛かり的な位置付けが日本政策金融公庫の新創業融資と言えます。
創業融資の申し込みタイミング
日本政策金融公庫の新創業融資は、
①新たに事業を始める人
②事業開始後税務申告を2期終えていない人
いずれかにあてはまれば申し込み可能です。
この中でも特におすすめのタイミングが①です。
具体的には、開業前のタイミングが最も良いでしょう。
なぜなら、「雨が降る前に傘を借りる」ためです。
つまり、開業当初から黒字であれば問題ありませんが、多くの会社はそうはいかないのが現実です。
黒字に転じるまでには少なくとも半年ほどはかかると考えておくべきでしょう。
そして、開業後は実際の事業の成果を数字(貸借対照表や損益計算書)で表すことができてしまいます。
融資担当者は、融資の際により確実な数字を欲しがりますので、
どのくらいの赤字か黒字かを数字で示すことのできる開業後は、
貸借対照表や損益計算書の提出が求められます。
開業当初から順調な黒字をキープできていれば良いのですが、
仮に赤字の場合、融資担当者に良い印象は与えづらくなります。
また、今後どうやって黒字化していくか説明をすることも必要です。
金融機関に良い印象を与えられないうえ、
説明などの手間をかかってしまうのであれば、
まだ実績のない開業前に借入をしておく方が、よっぽど良いよいうことになります。
また、最初に黒字になることが見込まれる期間分の融資を一気に受けておけば、
次回の融資は黒字の実績があるのでさらに借りやすくなります。
なお、日本政策金融公庫のからの融資の場合、
入金は概ね1ヶ月は掛かると見込んでおいた方が良いでしょう。
開業することが決まったら、開業日から逆算して
融資窓口へ相談をしにいくことをお勧めします。