コロナ借換保証制度とは
新型コロナ対策の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保)」。
この返済開始時期が2023年7月以降に本格的に開始する見込みです。
ゼロゼロ融資とは、
新型コロナによる影響で、売上が下がった会社を支援する融資です。
公的機関が利子を負担することにより当初3年間は実質無利子となり、
担保の提供もないため、ゼロゼロ融資と呼ばれます。
民間のゼロセロ融資は、5年間の据置期間の設定が可能でしたが、
実際は2-3年の据置期間を設定した企業が多いようです。
つまり、2020年5月に始まった民間のゼロゼロ融資の返済が
2023年以降本格的にはじまるということになります。
しかし、まだコロナから完全に抜け出せているとは言い難い現状です。
売上が完全に回復しないまま、返済がはじまることに危機感を感じている会社もたくさんあります。
そこで、本格的な返開始が始まる前に
2023年1月10日からゼロゼロ融資からの借換保証制度が創設されました。
制度の概要・メリット
制度の概要は次の通りです。
保証限度額 | 1億円 |
保証期間 | 10年以内 |
据置期間 | 5年以内 |
保証料率 | 0.2%等※ |
金利 | 金融機関所定 |
据置期間は最大5年ですが、その後の返済も考えると2-3年とすることが多いようです。
保証限度額も1億円(民間ゼロゼロ融資は6千万円)に増加しています。
企業にとっては、
・借入時の保証料を抑えて借換が可能
・借換により返済開始時期を遅らせることができる
・業績が不調な場合でも、借入のチャンスが広がる
・業績が好調な企業は、預金残高を増やすチャンスになる
・追加借入の枠を増やすことができる
といったメリットがあります。
申し込みには要件があります
申し込みには要件①と②をいずれも満たす必要があります。
要件①:次のいずれかに該当すること。
1 セーフティネット4号の認定
売上高が20%以上減少していること。最近1か月間(実績)とその後2か月間(見込み)と前年同期の比較
2 セーフティネット5号の認定
指定業種であり、売上高が5%以上減少していること。最近3か月間(実績)と前年同期の比較
※1,2について、コロナの影響を受けた方は前年同期ではなくコロナの影響を受ける前との比較でも可。
3 売上高が5%以上減少していること
最近1か月間(実績)と前年同月の比較
4 売上高総利益率/営業利益率が5%以上減少していること
3の方法による比較に加え、直近2年分の決算書比較でも可
要件②:経営行動計画書の作成と金融機関による継続的な伴走支援を受けること
経営計画行動書は1枚もの資料です。
経営計画行動書サンプル(中小企業庁より)
記載内容はつぎのとおり。
・事業者名簿
・現状認識
・財務分析
・計画終了時点における将来目標
・アクションプラン
・収支計画及び返済計画
コロナ借換保証制度は実のところ、融資額が増えるわけではないうえ、事務手続きも面倒なため
金融機関としては積極的に扱いたくないというのが本音のようです。
そのため、経営行動計画書への記載をしっかり行い、自社をアピールすることが大事であるといえます。
また、実際に融資が下りた際には、金融機関による継続的な伴走支援を受けることが要件ですから、
定期的な財務状況の報告、経営行動計画書に基づくPDCAサイクルの進捗報告も必要となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ゼロゼロ融資の返済が既に始まっている方でもコロナ借換保証制度は利用可能です。
返済開始後に資金繰りに不安があると感じられる方は、コロナ借換保証制度を検討されてみてはいかがでしょうか。