
利益があるところに税金がかかるんだけども..
税金はどんなときにかかるでしょうか。
答えは、利益を受けた場合にかかります。
ただし、税金がかからない一定の場合もあります。
例えば、ニーサ口座の分配益や譲渡益、遺族年金の受給などがこれにあたります。
話がそれました、税金がかかる話に戻します。
例えば、私たちの生活を想定します。
スーパーで食品を買ったら、食品を買うのと引き換えにスーパーにお金を払いますね。
払ったお金はスーパーの売上になり、仕入や人件費などを除いた残額がスーパーの利益です。
スーパー側は利益を受けているので、税金がかかるということになります。
ん、なんだそんな事?みんな知っている、という感じですね。
スーパーのケースは税金がかかるという事が非常にわかりやすいのですが、
税金がかかるという事が非常に分かりにくくなる取引があります。
分かりにくいものの特徴は、間接的なものや利益が現れるまでに時間がかかるもの。
例えば、社長から会社への貸付金をなくすため、
社長が債務免除(社長が会社へ貸付けているお金の返済を免除)する場合。
もし社長と社長のご子息が会社の株主であれば、社長が会社に対して債務免除をする事で、
会社は債務がなくなる
→負債が減り会社の価値が上がる=会社の株価が上がる
→ご子息が持っている株式の価値が上がる
→社長からご子息に贈与税がかかる。
という可能性があります。(詳しい条件は割愛)
このような間接的なケースはご子息にとっては寝耳に水ですよね。
本人が何もしていないのに気づいたら税金を払わなければならなくなっているのですから。
他のケースでは、iDeCoなども。
利益が現れる(=税金がかかる)までに時間がかかるため、
どちらかというとお得な部分に目が行きがちです。
iDeCoは、拠出時に所得控除、運用益は非課税(税金がかからない)、
受取時は退職所得控除という税金上のメリットがあります。
税金上のメリットとはいえ、受取時には税金がかかります。
退職所得でなく、年金として受取る場合は雑所得になり退職所得控除は使えませんし、
会社からの退職金が見込まれる場合は、退職所得控除を使うためには戦略が必要です。
(退職所得控除は短期間で2回以上使えないため)
このように、利益を受けたら税金がかかるというのは分かっているようで、
意識がないところで税金がかかってくるという場合があります。
こう考えると、やっぱり税金って難しいなと感じます。
理解いただけるまで丁寧に説明したい
何が言いたいのかというと、税金は複雑な部分があるからこそ、
税理士はお客様にきちんとご説明する必要があるということです。
出来るだけ分かりやすい言葉で説明することはもちろんですが、
お客様がリスクも含めてご理解いただいているかも大事だと思うのです。
先ほどの例だと、万が一社長が亡くなった場合、
社長の相続税の点では財産が少なくなるので良し、
会社にとっても財務改善ができるので良しですが、
ご子息にとっては贈与税を納める義務が生じる可能性がありますし、
債務免除を受けた会社も法人税がかかる可能性もあります。
多方面から見たリスクをご説明し、
お客様にはご納得のうえでご判断いただく必要があると感じます。
また、税理士業の枠を超えたところにリスクが生じそうな場合でも、
その専門家を紹介するなどの対策は必要です。
お客様にとっては、誰が何の専門かなど細かな事は分からないものです。
特に税金は金額が大きいケースもありますから、
しっかりご理解いただくまでご説明する事を肝に銘じて仕事をしていきたいと思っています。
まとめ
「税理士に言われたから」という理由だけで
判断されるお客様がいらっしゃるのはとても残念だと思います。
リスクについて十分お客様が分かっていないのは、
お客様にとっても税理士にとっても幸せなことではありません。
それは、税理士側がきちんとお客様に伝わる言葉で
分かりやすくご説明されていないことが原因だと思います。
税金は複雑な部分もありますが、
出来るだけ分かりやすい言葉でご説明し、ご納得のいただけるように日々取り組んで行きたいと思います。
そのためには、やはり自分自身の日々の研鑽が必要です。
目の前の事に追われるとインプットが疎かになりがちなので、
インプットをする時間を確保したスケジューリングを心がけたいです(^-^)