前回に引き続き電子帳簿保存法のお話しです。
本日は「帳簿・書類の保存」について。
ちなみに今週は電子帳簿保存法のお届週間になりそうです(^^)/
しばしお付き合いください~🌸
電子帳簿保存法の対象となる3つの保存方法
前回は電子取引の保存についてお話しました。
今回は自己が作成する帳簿・書類の保存についてのお話です。
前回お話しした電子取引の保存ができるようになったら、次のステップとしておススメなのが「自己が作成する帳簿・書類の保存」です。
なぜなら、「自己が作成する帳簿・書類の保存」もポイントをおさえればそう難しいものではないから、です(^^)/
まずは、電子帳簿保存法の対象となる3つの保存方法の全体像です。

本日お話しする「自己が作成する帳簿・書類の保存」は任意の位置付けです。
ただ、これらの書類を紙で保管しようとすると結構なボリュームになります。
しかも法律上、最低でも7年間は保存(法人の場合)が必要です。
保存スペースも圧迫しますし、セキュリティや運用面でも紙保存よりデータ保存の方が良いものです。
是非チャレンジしていただければと思います(^^)/
帳簿の電子保存とは?
まずお話するのが帳簿の電子保存について。
こちらは、仕訳帳や総勘定元帳などを紙に代えてデータで保存することを認める制度です。
売上帳や仕入帳、現金出納帳なども対象です。
一部の帳簿のみを電子データで保存することも認められますので、例えば会計ソフトから仕訳帳や総勘定元帳をデータ出力し保存することから始めてみるのはいかがでしょうか。
帳簿保存の要件でおさえるべきは3つです。
①PCを備え付けていつでも検索・確認ができるようにしておく
②会計ソフトのマニュアルを備え付ける
③調査官の求めに応じてダウンロードできるようにしておく
会計ソフトを導入している場合、①~③はどれもそんなにハードルが高くないものではないでしょうか(^^)
ちなみに、帳簿の電子保存では、これらの帳簿は全てパソコンで作成する必要があります。
手書きで作成する場合は制度の対象になりませんのでご注意ください。
これは改ざん防止の対策ということでしょう。
優良保存とは?
先にお伝えした帳簿の保存ですが、頑張るとさらに特典がつきます。
これが優良保存というものです。

優良保存の特典
①過少申告加算税(申告した税金が少なかった場合のペナルティの税金)が5%少なくなる
②青色申告特別控除(最大65万円を所得から控除)がうけられる
②は電子申告(e-taxなどで申告)している場合も認められますから、すでに適用となっている方も多くいらっしゃるでしょう。
よって、①の特典を狙うかどうか?がやるかやらないかの決め手といえそうです。
ちなみに優良保存を行う場合の要件は次の通りです。
事前準備:税務署へ事前届出を提出(適用を受けたい事業年度の確定申告期限までに提出)
保存要件:コチラにをご参照ください。
注意点:
・事業年度のはじめから取り組む必要がある(事業年度の途中から優良保存に切り替えることはできません)。
・青色申告法人が作成しなければならない帳簿の全てについて、優良保存の要件を満たす必要がある。
優良保存をやるに越したことはありませんが、正直手間は増えますしコストがかかる場合もあります。
それなら、優良保存は目指さず一般的な帳簿保存で電子保存を実現し、他の仕事に時間を使った方が現実に即している気がします。
やる気があるならやる!という位置付けでよいというのが個人的見解です。
書類の電子保存とは?
書類の電子保存とは、自らがパソコンを使用して作成した決算書類(貸借対照表、損益計算書)や取引相手に渡す見積書や請求書、納品書をデータで保存することを認める制度です。
ポイントは自らがパソコンを使用して作成することです。
パソコンで作成した後に手書きで修正した場合はNGです。
こちらも改ざん防止の対策でしょう。
書類の電子保存の要件でおさえるべきは4つです。
①PCを備え付けていつでも検索・確認ができるようにしておく
②会計ソフトのマニュアルを備え付ける
③調査官の求めに応じてダウンロードできるようにしておく
④検索要件の確保(日付、取引金額、取引先により検索可能なこと及びその範囲を指定して検索することができること)
③と④はどちらか一方で構いません。
決算書類は①、②、③を、取引相手に渡す見積書などは①、②、④の方法で保存しておくとよいでしょう。
決算書類に関しては、会計ソフトを利用していれば、クラウド上で保存しておけば大丈夫ですし、見積書などの取引書類に関しても検索要件を満たして保存しておけば大丈夫なので、比較的はじめやすいといえるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
帳簿・書類の保存もハードルはさほど高くありません。
要件をおさらいすると以下の通りです。
①PCを備え付けていつでも検索・確認ができるようにしておく
②会計ソフトのマニュアルを備え付ける
③調査官の求めに応じてダウンロードできるようにしておく
④検索要件の確保(日付、取引金額、取引先により検索可能なこと及びその範囲を指定して検索することができること)
※基本的には①~③、書類の保存の場合は③に代えて④。
こちらも是非チャレンジしていただければと思います(^^)/