本日は電子帳簿保存法の中でも「スキャナ保存」のお話。
ブログを書くにあたり改めてスキャナ保存について確認したのですが、
所感:細か~~( ;∀;)

で、ですね。それがなぜかというと、スキャナ保存は不正が行われやすいから!
ということです。

紙でもらった書類をスキャンしてポイッと捨てることをOKとするわけですから、
たとえば、手書きの領収書に数字を加筆しても、紙の領収書であれば「お、不正してるぞ!」とすぐにわかるものがスキャンデータならわかりづらくなりますよね。
紙をポイッとしているわけですから原本確認もできないわけです。
だから、細かな要件がたくさんあるということです。

本日はスキャナ保存の解説を中心にお伝えしますが、
スキャナ保存じゃなくて電子取引の保存にしよう!
これが私の言いたいこととなります。

スキャナ保存、面倒ですから。
同じ書類でも紙で授受すればスキャナ保存、電子的に授受するなら電子取引の保存です。
電子取引の保存なら、ハードルが低いのです。
ですので、スキャナ保存から電子取引の保存に少しずつ変えていく、つまり運用自体を変えていくことも同時に意識していこうという結論です。

スキャナ保存の位置付け

スキャナ保存とは、人から紙でもらった書類や自分が紙で作った書類をデータで保存することを認める制度です。
スキャナ保存を行うかどうかは任意です。

スキャナ保存の対象となるもの

スキャナ保存の対象となるのは、見積書、契約書、請求書、注文書、納品書、領収書などです。
先ほどお伝えしたように、同じ書類でも紙で授受すればスキャナ保存、電子的に授受するなら電子取引の保存です。
したがって、「紙」でのやりとりというのがポイントです。

対象となる書類には重要書類と一般書類2つの区分が設けられています。

スキャナ保存の対象となる書類の区分

2つの区分の違いは、簡易な保存がみとめられているかどうかです。

重要書類の場合、書類をやり取りしてからスキャンし、タイムスタンプを付与(または訂正削除システムに保存)するまでに期間の定め(最長2か月と7日)があります。
一般書類の場合は、期間の定めがなく、適時保存することが認められています。

スキャナ保存の要件

冒頭にスキャナ保存が細かい、とお伝えしたのはこの保存要件によるものです。
なるべく簡単にまとめたものがこちらです↓

もし不正がみつかったら?

もしスキャナ保存に不正がみつかったら?
厳しいペナルティの対象となります。

故意に行った不正が発覚すれば、通常の重加算税(35%)に追加で加重が行われます(10%)。
したがって、納税額の45%の重加算税となるのです。
もし無申告であれば、45%→50%となり、さらに加重されることとなります。

ただ、こちらは故意に改ざんした場合ですので、悪いことをしていない以上恐れる必要はないと考えられます。

消費税との関係は?

消費税においても、スキャナ保存の要件を満たせば仕入税額控除(消費税の計算において、売上にかかる預かった消費税から支払に係る消費税を控除することができるしくみ)ができます。

したがって、消費税の仕入税額控除の適用にあたり、スキャナ保存の要件をみたしていれば、その基となった紙の保存は必要ありません。

スキャナ保存にどう対応するか?

スキャナ保存制度は既に開始しています。
ただ、紙で受け取ったデータを捨てるというのは結構勇気がいりますよね。
ちゃんと保存していたとしても、です。

ですので、運用当初はこれまで同様に紙も保管しておいて良いのではと思います。
その後、運用が問題なく定着してきたときに金額が少額のものから紙を捨てていく方法で良いかと思います。

ただ、冒頭でもお伝えしたように、もともとデータでやり取りを行うことができれば「電子取引」に該当し、保存がずっとラクになります。
毎回カメラを取り出して撮影したり、スキャナを起動させるのも面倒ですから。
したがって、紙でのやり取りからデータでのやり取りへ移行していくことも同時に進めるとよいでしょう。
そうすれば、徐々にスキャナ保存の対象書類が減り効率化が倍速で進められる事となります。

横浜市緑区の女性税理士。 お金と利益をしっかり残す経営を サポートいたします。 銀行融資、経理、クラウド会計が得意。 税理士だけど、税理士らしくない。 親切丁寧なサポートを心掛けています。 お客様と一緒に成長していくことが私の想いです。 趣味は ・ランニング ・読書 ・料理 ・パン屋さんめぐり。